劇場公開日 2019年9月6日

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「付き合う→できちゃった→結婚→離婚、あっ、「好き」はどこへ?」タロウのバカ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0付き合う→できちゃった→結婚→離婚、あっ、「好き」はどこへ?

2019年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 多分タロウの親がこんなんだから、「好き」の意味が全くわからないタロウ。学校にも行ってないから、倫理、常識、物事の善悪など全く知らずに無軌道に荒れていく。仲良くなった高校生のエージやスギオも似たように挫折感を抱えているので、タロウがバカをやっても拍車をかけるだけなのだ。痛みを知って想像力が働けば、暴力行為なんて思いとどまることもあるのに、エージはSだし、スギオはMといった感じで暴力も戯れの一つにしか見えないことが災いしてしまった(主観的意見です)。

 「好き」という言葉はスギオだけが知ってるような口ぶりでしたが、彼はただやりたいだけだったのかもしれないし、大好きなヨーコが売春している事実を知って、頭の中の好きコマンドが正常に作動しなくなっただけのような気もする。でも気持ちはわかる。登場人物中、唯一共感できる心をもっていたのがスギオだからだ。

 國村隼が登場して5分くらいで即刻退場するなんて『キル・ビル』以来初めてだったかもしれないけど、こういう贅沢な使い方が良作の証しにと意気込みを感じられるところ。その序盤、実際の障がい者を登場させ、彼らを食い物にしている吉岡のシークエンス。問題作となるゆえんでもあるけど、相模原障害者施設殺傷事件をも想起させ、人間一人の命の重みは障がい者であろうが健常人であろうが同じ。また戦争中であろうが平和な世の中であろうが同じ。といったテーマを表現するには必要だったのかもしれません。

 また、河原で3度ほど登場するダウン症の愛子とその彼氏が非常に良かった。普通の会話もできるし、歌も歌えるので軽度なのかもしれませんが、「好き」という感情も持っているし、この点ではタロウよりも優れています。ただ、終盤の悲劇においては、経験したことのない感情だったため口にすることもできません。このおかげでタロウにも死生観がようやく認識できたのでしょうかね。

 生きることと死ぬこと。実際に身内であるとか好きな人が死なないと感情が芽生えないのかもしれませんが、学校にも行けず情操教育なんて受けてないから粗雑な性格に育ってしまう。この映画を観て嫌悪感で満ち溢れるのもしょうがないけど、自分たちは恵まれてただけなんだと思えば彼らの行為がアンチテーゼとして愛を持って受け入れることができると思います。どうしても許せなかったのが、弱者からひったくりをする行為でしたが・・・拳銃が人の心まで変えてしまう恐ろしさも描いていたと感じました。

kossy
2019年11月3日

kossy氏、同年代にフォロー頂きありがとうございます(笑)😅

「ネット検索映画.com」教えて頂き、役立ってます🙇

映画は、自腹で観た人なら、何言ってもイイ主義で、私のレビューなんて片寄ったいい加減なモンです…

本作は、書くの悩みました。2回見て書いてもkossy氏ほどの言葉沸き上がらない…って体たらくです😅

國村サン…そうでしたね。最近は「マンハント」出てましたね。名優になられた今も好きですが…私的には「ブラックレイン」や「王手」「ガキ帝国」…出始め時代のギラつきが好きですかね☺

NIRVANA