劇場公開日 2019年5月17日

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「痛快かつ切ない。これぞ時代劇の真骨頂!!」居眠り磐音 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0痛快かつ切ない。これぞ時代劇の真骨頂!!

2019年5月30日
PCから投稿

悲しい

楽しい

単純

【賛否両論チェック】
賛:前半では磐音の背負う哀しみが、後半ではそんな哀しみを秘めた心優しい磐音が悪党と戦う姿が、痛快さ満点の中にも切なく描かれていくのが印象的。磐音の殺陣も特徴的で魅力。
否:展開はご都合主義で、ラストもやや呆気なく終わってしまった感が否めない。

 まさにこれぞ時代劇といったお話です。前半は、理不尽な事件に巻き込まれ、竹馬の友を2人も同時に失ってしまい、しかも1人は自らの手で斬らざるを得なかった、磐音の哀しすぎる旅立ちの物語が描かれます。その壮絶な出来事が、その後の磐音の心優しい人柄に繋がっていると思うと、物語が非常に深く感じられるような気がします。
 そして後半は一転、江戸でしがない浪人として生きる磐音が、新貨幣流通に絡む陰謀に巻き込まれながらも、用心棒としてその実力を遺憾なく発揮していく姿が、観ていてとても痛快です。
 そんな普段は心優しく、いつもほんわかとしている磐音の、悪を前にした時のガラッと変わる圧巻の強さが、本作の見どころの1つでもあります。彼が刺客に言い放つ、
「そなたに次などない。」
っていうセリフがカッコよすぎました(笑)。
 ラストはややあっさりしている感もありますが、時代劇好きには必見の作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド