恋恋豆花のレビュー・感想・評価

物語が云々というよりも、観光やグルメのガイドのような映画。
ここ数年は現地に行こうにも行けなかったもので、
"旅に飢えた行楽客" の目線で見たら、とてもわくわくしてきました。
深く考えないで、気軽に楽しめます。

嗚呼台湾に行きたい。

テレビのグルメ情報番組みたい。
台湾でのバックパッカーくんとの出会いとかも、かなり強引で物語が何もない。
「風の電話」が素晴らしかったモトーラちゃんの無駄遣い。

今関監督の一連の少女映画の系列に加わる作品かと思ったのだが、これは何なのだろう。モトーラ某のプロモーションビデオなのか、台湾のグルメレポートなのか。この映画を撮ろうと思った意図がよくわからない。
同監督は長い逼塞の日々を経て、ぽつぽつ映画は発表しているようだが、まだ本格復帰とまでは行かないようだ。「アイコ十六歳」や「りぼん」はお気に入りなので、再起を期待したいところである。

モトーラ世理奈って存在感は抜群だけど一向に芝居が上手くならないな。大島葉子と利重剛はいいとして、その他のキャスティングが謎すぎ。あとは台湾のPR。それ以上でも以下でもない。

単なる、観光PR映画である。グルメ、絶景、、。
だけど他にも何かを感じる。さらっと流しながらも、何かの変化を。誰かの思いを。
そう、ナオの言う「君たちにはわからないだろうなあ、私は大人になったんだよ」がすべて。旅は、人を大人にするのだ。自分中心だった生活から、初めての場所や人に触れることで、自分は世の中に流れる時間のほんの一部であることに気付き、自分自身を問い、他人をしっかりと認識することを覚える。「おいしい！」でも「綺麗！」でも何でもいい。眼にし口にし耳にしたものを素直に感動できる感性こそ、日常を離れた旅でこそ磨かれるものだ。
ナオは、それを感じて、大人になったのだろう。