嘘の天才　史上最大の金融詐欺　ウィザード・オブ・ライズのレビュー・感想・評価

事後にメディアで報じられたことのツギハギ。人々はどんな話術で騙され続けたのか、マドフはどうして騙し続けなければならなかったのか、その間に全てを自白してしまいたくなった瞬間はなかったのか、、、史上最大の詐欺事件が発生した謎を知りたかったのに、微塵も答えていなかった。
ただただ、陰惨な音楽と画面が繰り広げられるだけ。10分のメディア検索で十分。

ウォール街で起きた巨額詐欺事件の実話。巨万の富のお陰で不自由ない暮らしから父が詐欺で捕まり、妻、子供は波乱の人生となる。自殺してしまう長男、病死の次男、妻にも連絡先を変えられ、終身刑となった男は詐欺に手を染めるうちに引き返せなくなった、他人の人生を台無しにしてまでも、自分の家族に富を与えて幸せにしたかった、守りたかったのだろうが、結局は不幸にしてしまった、何も残っていない男をロバート・デ・ニーロが淡々と演じる。

数十年間もの間、マドフは資金運用能力を持っていると投資家らから信じられ、称賛されてきた。
映画でみるかぎり本人の思惑以上に信用の輪の中で広がってしまい、投資のカリスマとなるが、リーマンショックをきっかけに化けの皮が剝がれるとな。

詐欺発覚後の、家族の崩壊がすさまじく痛ましい。

主役のデニーロはもちろん良いのですが
妻役のミシェル・ファイファーが息子の自殺を知らされた時の慟哭が今も耳に残る。