劇場公開日 2019年1月19日

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「ほんとうにイカレている。」かぞくわり バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ほんとうにイカレている。

2019年3月1日
PCから投稿

笑える

楽しい

難しい

「かぞくわり」というタイトルが「家族を割る」に通じていて、現代における家族の離散と再生を描いている、というのも決して間違ってはいないと思うのだが、公開されているあらすじからして、なにかがおかしいのだ。おそらく理解できないから検索してみて欲しい。

画家になる夢をあきらめたニートのヒロイン、反抗期の子供を連れて出戻ってきた反りの合わない妹、明るく振る舞っているが甲斐性のない父と、妙なマルチにハマっている母親。もう絵に描いたようなしくじり一家が主人公というところまではわかる。

しかし、主人公は伝説の姫の生まれ変わりで、その秘密を知る謎のテロ集団が出て来るあたりで「今、何観てるんだっけ?」と何度も自問自答することになる。シリアスとコメディ、現実とファンタジー、相反する要素が溶け合うのではなく、ゴツゴツと生煮えのまま鍋ごとひっくり返したような見たことのないカオス。監督の意図はわからないが、もはや“斬新”としか言いようがない怪作だった。

村山章