劇場公開日 2018年9月8日

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「けして他人事ではない。」1987、ある闘いの真実 レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0けして他人事ではない。

2019年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

興奮

業務上過失致死の容疑で取り調べを受けていた医師が取り調べ中に死亡した。いわゆる手術の失敗による患者死亡を疑われての逮捕であったが、明らかにあり得ない体の部位に挫傷の痕跡が見られ、死体を解剖し疑問を抱いた法医学者が拷問による殺人があったとして告発した。しかし取り調べをした二人の刑事は嫌疑不十分で不起訴となった。2010年日本の奈良であった出来事。本作の23年後の日本である。大阪の地方裁判所裁判官襲撃事件で容疑者の拷問取り調べによる冤罪事件も記憶に新しい。そもそも韓国の警察の拷問による自白強要は大日本帝国支配時代から引き継がれたものであるとか。それはまさに21世紀となった日本でいまだに自白の強要による冤罪が絶えないことが証明している。取り調べの全面可視化が日本で進まないことに納得。都合の悪い所を見せたくないのであろう。そして今の政権下で共謀罪、秘密保護法、盗聴法改正と戦前の治安維持法が復活するなかで、敗戦によりアメリカから与えられた民主主義を享受するだけの日本人に香港で起こってるようなデモ活動を期待するのは無理なのかもしれない。

レプリカント