劇場公開日 2018年8月25日

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「若い?若くない?31歳は迷いの年」若い女 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若い?若くない?31歳は迷いの年

2018年8月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

これは、私の共感がいっぱい詰まった映画だった

主人公のポーラは31歳
ある時、ポーラは10年間付き合った彼氏からパリの街へと追い出されてしまう。
彼と共にメキシコで暮らしていたポーラには、当てにする友人もなく、たまたま知り合った人の家を転々とし…

だいたい28〜32歳ぐらいの時というのは「迷いの年」だと思う

そろそろ結婚もしたいけど、仕事も面白くなってきたし とか
仕事に行き詰まりを感じるけど、結婚相手もいないし とか

私も、その年頃は悲しい別れがあったり、失業したりで
スキルアップの勉強をしてみたり、趣味を増やしてみたりして、いろいろとチャレンジしていた年頃だった

ポーラも、きっと10年間付き合った彼氏との結婚を意識していたはずだけれど、無残にも追い出されたことで、情緒不安定になってしまう

そりゃー誰だって、そんな状況に置かれたら情緒不安定になるわー!!

そこから、彼女は自分の生きる道を模索し始める

31歳にもなって、生きる道??自立??今さら??
と思わなくもないけれど、他の人たちが自立した20代の頃、ポーラは有名カメラマンの彼氏と共にメキシコで夢のような生活をしていたのだ

だから、人より10年遅れて自立の時がやってきたのも、すごくよくわかると思った

彼氏に捨てられたばかりのポーラは、情緒不安定だったけれど、
そこから、いろんな人たちと出会い、いろんな経験を重ねて、誰の所有物でもなく、誰にも依存しない自分を見つけ出していく

31歳という年は、周りの人たちから
「まだまだ若いから」と言われるけれど、本人からすれば「もう若くない」年である

それでも、最後にポーラが選んだ生き方を私は尊重したい

ポーラと母との関係、ポーラと元彼との関係を考えた結果の答えだと思ったからだ

28〜32歳ぐらいの頃は、仕事も、家族も、プライベートも迷いの時だと言ったけれど、
その答えを探す中で、もっとも優先すべきなのは「自分が幸せで、楽しくいられる環境」を作ることなのだ

私はラストのポーラを観て、そう確信したし、彼女のラストの表情がそれを物語っていた

私には、納得の終わり方だった

面白いなぁと思ったのが、猫
日本では、よく独身女性と猫をセットで語られがちだけれど、フランスでもそうなんだなっていうのが面白かった

古今東西、独身女性には猫がよく似合うんだなぁ

とえ