劇場公開日 2019年3月22日

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「面白かっただけでは済まさない痛烈なラスト」ブラック・クランズマン オレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5面白かっただけでは済まさない痛烈なラスト

2022年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

1970年代のアメリカを舞台に黒人刑事のロンと白人刑事のフリップが1人の白人至上主義の人物を演じ、KKKへの潜入捜査へと挑む姿を描いた痛烈な社会風刺を持ったノンフィクション作品。

またも無知状態で見た為、KKKを始めとする各団体や当時の世情などが全く分からず、見ながら(さらに言えばこれを書きながら)色々と調べていた為、やたら鑑賞に時間のかかった作品。

人種差別に真っ向から向き合った痛烈な作品で知られるスパイクリー監督の久々の復帰作として注目されていた今作はデンゼルワシントンの実の息子であるジョンデヴィッドワシントン演じるロンと大人気アダムドライバー演じるフィリップの凸凹コンビが活躍するバディモノであったが、自身を白人主義者の白人と偽って電話越しに黒人をこき下ろす様や白人らしい言葉遣いをフィリップから教わるロンなどコミカルとシリアスのバランスが絶妙でバディモノとしての魅力は薄いかもしれないが、独特の緊張感が魅力的な作品だった。

しかし今作で最も独創的で痛烈だったのがラストに流れた2017年のバージニア州での白人至上主義集会騒動のダイジェストである。
今も何一つ変わらないアメリカの闇を引き合いに出し、今作の物語はフィクションではないし、今この瞬間も起きていることだということを叩きつけられるラストは他に類を見ないと思う。

オレ