劇場公開日 2018年9月21日

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「何度涙した事でしょう」若おかみは小学生! 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何度涙した事でしょう

2021年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「茄子」の高坂希太郎監督作品。
実はこれが劇場2作目(茄子2はOVAの為)、長編では初監督作品となるんですね。
公開当時はどうにも都合がつかず、悔しい思いをしたのを覚えてます。
だからなのかレンタルなどはせず、じっとアンコール上映を待っていました。
あれから2年が経ち、原画集の発売に合わせレイトショー上映が決定。しかも監督のトーク付きす。
この機会を逃すまいと、この度ようやっと観ることができました。本当よく動くし細部も細やか。
ジブリで作監を任されていただけに作画は素晴らしいですね。
参加した「風立ちぬ」でもやっていたと思うのですが、眼鏡を通した景色の歪みなど拘りが強いです。
作品は一人の子どもの成長を描いた物語。
最初の導入がまずうまい、あそこでギュッと持ってかれますね。
そこからは主人公を見守る親のような視点になってしまい、ずっと目が離せませんでした。
ただただ直向きに生きるおっこ、その愛おしさに何度涙した事でしょうか。
短い尺ながら構成や演出が実に見事、細かい部分の設定や作画も素晴らしく、まさしく傑作と言えるでしょう。
あと「ジンカンバンジージャンプ」、あの歌「人間万事塞翁が馬」をもじったらしいですね。
「長い人生では楽しい事や嬉しい事もあれば、辛い事や悲しい事もあるけれども、何が幸福で何が不幸かは直ぐに決まるものではない」、この作品の根幹に触れるようで主人公おっこに実に合っていると思います。
作品のラストも、とても清々しい気持ちになれました。
アフタートークも監督らしいゆったりとした語りで、会場も実に和んでいましたよ。
監督は今後監督業に専念していくらしく、これからはもっと沢山の作品を目にする事ができそうですね。
出会いと別れと少女の成長を描いた作品、とても素敵でした。

白波
かせさんさんのコメント
2024年4月11日

いいなあ監督のトーク付き上映。
うらやましいです。

かせさん