劇場公開日 2018年10月13日

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止められるか、俺たちをのレビュー・感想・評価

全58件中、1~20件目を表示

3.5若松孝二監督を思うと胸がいっぱいになる

2021年9月20日
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鑑賞方法:試写会

若松孝二監督が2012年に事故で死去した際、筆者は李相日監督作「許されざる者」のロケで北海道・大雪山におり、山から下りた翌日に知らされた時の衝撃は今も忘れることができない。いち取材者がこれだけショックを受けたのだから、若松組の悲しみは計り知れない。
監督の死から6年後、若松プロダクションが再始動した。それが、「止められるか、俺たちを」。

1969年を時代背景に、若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇麦が主人公となる助監督の吉積を演じ、若松組の常連だった井浦新が、若き日の若松監督役を務めた。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」の白石和彌。若松組のエッセンスが満載を見るにつけ、若松監督に思いを巡らせてしまう。

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大塚史貴

4.0「俺たち」の輪の中

2019年9月30日
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鑑賞方法:VOD

この映画の主人公は女性だが、タイトルには「俺たちを」とある。この「俺たち」の中に主人公は含まれているのだろうか、というのが鑑賞前に気になるポイントだった。結果的には、この物語は「俺たち」の輪の中に入りたかったが、入ることのできなかった女性の物語だった。若松孝二の伝記映画であるが、彼自身を主人公にしなかったことで別の側面を産んでいた。彼女は若松孝二と赤塚不二夫が並んで立ちションをする姿を羨ましそうに見つめる。女にはできない友情の形だ。そんな彼女に千載一遇の並んで立ちションする機会が訪れる。しかし、彼女は立ちションすることを止められてしまうのだ。あの時、彼女が立ちションできていれば、その後の悲劇は起きなかっただろうか。むしろ、より深い絶望に陥っただろうか。そんなことを考えながら観ていると、ただ熱いだけの映画だけではなかった。さらに深い、重要な問いかけがあったのかもしれないと感じた。

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杉本穂高

4.0門脇麦…

2024年4月12日
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鑑賞方法:映画館

若松プロを舞台にした青春群像劇。
なによりも演者の皆さんの存在感が素晴らしい。
若松監督役の井浦新、足立正生役の山本浩司などなど…
特に門脇麦の佇まいはめぐみそのものとしか思えないものだった。役者ってスゴい…

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ぱんちょ

3.5昭和の映画好き

2024年3月15日
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鑑賞方法:VOD

幸せ

2作目が公開されるということでレンタル観賞です。
若松 孝二監督は知らない世代です。
昭和の学生運動とか映画とか煙草とか、古き良き時代という感じです。
恐らく、岩松監督に寄せるためだと思いますが、何を喋っているか分かりにくい。ファンはたまらないのだろうと思います。

井浦新や門脇麦など、さすがという感じです。

2作目、監督変わるのですね。

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だるまん

2.0若松孝二を知らないだけに…何が面白いのか意味不明だった。門脇麦以外...

2021年10月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

若松孝二を知らないだけに…何が面白いのか意味不明だった。門脇麦以外は見所が見つかりませんでした。

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tuna

3.5点数は付けづらいなぁ…

2021年10月13日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

白石和彌監督作品「止められるか、俺たちを」、監督と井浦新、タモト清嵐の舞台挨拶があるので行ってきました。

監督が二十歳のころ門を叩いたという「若松プロダクション」。故・若松孝二監督の元に集まった若き才能らの群像劇です。ちなみに、若き日の若松監督を演じる井浦新も若松プロの俳優部出身だそうで。いつもの流れでwikipediaで知ったと言いたいところですが、今回は舞台挨拶で聞いた内容でした。

主演は門脇麦。監督にはなりたい。でも、どんな映画をつくりたいのか分からない。そんな、現代の若者にも通じるような「ふわり」と懸命な助監督を演じます。どの時代も大多数の人はそんなもんなんでしょう、同じ人間ですから。あの時代は輝いていた!なんて言うのは、大抵が老人の戯れですよ。いつだって、悩んで怒って歳をとる。

エンターテイメント性はほぼ無し(ただし三島由紀夫のシーンは最高)。面白いかって言われると微妙。ただ、若松監督およびその周りの面々、そしてその時代への愛が溢れてます。かと言って、ただ美化するのではなく、格好悪い部分もしっかりと描いているあたりは、さすが白石監督と言ったところでしょうか。あと若松作品処女なので、貫通した後に観たらまた印象が変わるのでしょうね。

それよりもですよ。若松プロはどうだか知らないけど、手塚プロといい藤子プロといい、故人の功績をもって飯を食ってるプロダクションって気に入らなくないですか?ん、石原プロもか。

版権管理とかなら理解できるが、その名を拝借して新作を出したりするのが腑に落ちない。才能は一代キリ。クリエイティブに跡取りはいないのだから。自分の名前で勝負しやがれ。

あ、取り乱しました。

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LADA

4.560-70年にあった熱量が青春に乗る、今に通ずる若者の痛み

2021年9月28日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

興奮

ずーっと温めていた作品。ネトフリでライン落ちする前に駆け込み鑑賞。エンドロールでブワッと涙が溢れた。嗚呼、青春の日々よ。

吉住めぐみは人生を"駆け抜けた"と言えば爽やかだが、死を迎えた彼女を形容するには、"全うした"と言うのが正しい気がする。時代は全共闘の真っ只中、かといって彼女は興味がなく、映画の熱狂に引きずりこまれるようにして若松プロダクションの門を叩いた。

有り余る程の情熱が映画づくりに精を出す。その青春はあまりにも大胆で敏感で儚い。プカプカと浮かぶタバコの煙に浴びるように交される酒。しかし、そこでかく汗が経験として素直に開くとは限らない。何者でもなれない、自分との葛藤が心を蝕んでいく。増してピンク映画から社会に問いかける立場のプロダクション。「女性を捨てた」と自らを例える程、生きにくい場に身を投じたが故の苦悩かと思うと苦しい。

そんな姿をありありと演じる門脇麦はやはり魅力的な女優さん。プールに身を投じたり、まっすぐに恋をする女性らしさもありつつ、不器用ながらに若松プロダクションの一端を担う姿が勇ましく思える。また、若松孝二を演じる井浦新も風格があってカッコいい。当時の姿を知らない自分でもその熱量に刺激され、夢中で何かを成し遂げたいと思った。

白石和彌監督が三島由紀夫を演じたり、藤原季節が『火口のふたり』を撮った荒井晴彦を演じたりと、実在する人を演じるリアリティも面白かった。これから定期的に観たい作品。

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たいよーさん。

4.0いろんな青春があってもいいじゃない

2021年8月31日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

知的

1969年春、若松孝二を中心とした若松プロダクションに一人の女性が入った。
吉積めぐみ。ピンク映画の助監督として若松プロで仲間たちと映画を撮り続けた。
そんな彼女と仲間たちのはなし。

お恥ずかしながら、若松孝二監督の映画は全く観たことがなく、寧ろちょっと主張強すぎるかな?と避けていた面がある。
こんな自分が観ていいのかは分からないが、若松孝二の為人と、自分には想像もつかない当時のエネルギッシュな若者たちの姿を知る上でとても勉強になった。
男だらけの世界で、女を捨て自分を見つけきれないめぐみ。
結末はあまりに呆気なく、周りが出世していく中で一人だけ取り残された悲壮感がなんとも切ない。
政治に興味はないけれど、共に立ちションを望み仲間と一緒に映画という武器で戦ったものの、妊娠で自分を女性だと自覚する。
学生運動が激化する中でこういったなりきれなかった女性は大勢いただろう。
若松孝二の伝記というよりは、そんな彼女たちへの鎮魂歌のように感じた。

若松孝二ってすごい人だったんだな。
だんだん活動家の拠点と化していった若松プロだけど、そこには確かに良い映画を撮りたい熱があった。
どんな映画も映画なんだよ。
でも、若松孝二にはただヤりまくるだけのコマーシャルな映画は撮って欲しくない。
エロ目的のおじさんにもウケるものを作らないといけない。
様々な映画論がある。
愛やセックスは暴力だ。
映画の中では警官殺そうが誰殺そうが悪くない。
彼の映画を少し、いやかなり観てみたいと思った(特に『ゆけゆけ二度目の処女』が気になる)。
鑑賞前は復習映画だと思っていたが、予習として観れたのは良かったと今は思う。

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唐揚げ

4.5若い世代には理解していただけないかも

2020年12月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

映画の好きな人が作った映画だと思います。ですからヒットしません(多分)。

この映画を見てぐっと来る(共感するか否かは別です)のは私と同じ60代か、これ以上ではないかと思いました。その意味では青春映画ではありません。

門脇麦さん演じる助監督には、実際のモデルがいるのではないでしょうか(映画のエンドロールの中でちらっと写る人かな)。だとしたら救いようのない悲しさを感じます。

ついでに、重信房子さん役は感じがよく似ていましたが、三島由紀夫さん役はちょっと太めでは。

私は内容には共感はしません。世の中を変えたいと思うのであれば、政治家(革命家でも良い)や実業家を目指すべきであり、映画では世の中は変えられません。
この映画の中でも「ぶち壊してやる」と、みんなイラついています。イラついて、空回りしているのが良く描かれています。共感しませんが良い演出です。

もう一度見たくなる映画であることには間違いありません。とにかく門脇麦さんが秀逸です。

ただひとつ、映像にはケチを付けます。撮影が非常に難しいことは分かりますが、1969~1971年にはなかったものが映像に映ってしまっています。

【追記】
モデルとなるような実在の方がいたようです。

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PAK UNTIK

4.0誰しもが闘い、夢追い人であったあの時代

2020年10月13日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:4.0
70年代の熱やカオス感などがしっかりと伝わってくる。誰もが何かと闘う時代。そして自分に対しても闘う精神は向けられ、悩み葛藤する当時の若者の生き様がよくわかる。
また若松監督役の井浦新の演技には脱帽だ。
誰しもが夢追い人だった70年代。2度は巡ってこない特殊な熱い風が吹いてた時代と感じる。

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カメ

2.5映画comで自身初DVDの感想

2019年11月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

知的

若松監督の井浦新がとても良かった
今まで観た井浦新のなかでは1番良かった
詳しくないが若松監督こんな感じの人で若松監督にかなり寄せた演技なのか
福ちゃん役の満島弟がキレるシーン良かった

ヌード多いがエロさが感じられなかった
パンツのせいもある
門脇麦もヌードになったがわかりにくかった

バカなので理屈はチンプンカンプンだが当時のエネルギーは感じた

反権力とか今どきダサいし左翼とか気持ち悪いし若松という人間は好きじゃないし共感できない
宮城県涌谷町出身なのでわりと地元に近いが親近感はわかない
大島渚監督役の高岡も嫌いな役者だ
だから劇場では観なかったが門脇麦はわりと好きなのでレンタルDVDで鑑賞した

津川雅彦は生前左翼が日本映画をダメにしたという意見を残したがそれも肯ける作品だ
やがて90年代邦画の低迷につながるのかもしれない

だが新聞記者の監督が若松孝二なら保守も称賛する傑作になっていたかもしれないとは思う

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野川新栄

4.0紅一点、吉澤めぐみの目線で語られる若松プロ

2019年8月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

定着していたわけではなく皆結構出ていくのね。
撮影協力
ブラ bura
CREAM
クラクラ
ジャズバー新宿サムライ
Britishbar EORNA
ワイン&バーb-noir
鶏ジロー東中野店
喫茶コンパル
高崎市
小山町
比企
新宿ゴールデン街
新宿三光商店街
東映ラボテック

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消されるので公開しない

4.5なるほど

2019年8月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

面白い人たちが、面白い人たちを描く。いいものにならないわけがない。若松監督の作品で私がみたことのあるのはキャタピラー、千年の愉楽、水のないプール‥なるほど。やはりすごい人だ。他の作品も見たい!作品に関わったことのある役者が主要な役からちょい役まで出てくるのも愛を感じられてなんかいい。
この時代に生きてみたかった。性に対して、政治に対して、どんな風に考えていただろう。とにかくめぐみを含め、出てくる女性がかっこよくて。それもこの時代の象徴なんだろうなぁ。

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いつこ

5.0三島由紀夫関係のも見てください

2019年8月15日
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独特の雰囲気が癖になる。井浦が三島由紀夫を演じた映画も是非

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アサシンⅡ

3.0この時代

2019年8月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

今だとコンプライアンスの問題で絶対になし得ない作品の裏側を見れた。
若松作は見たこと無いが、
見てみたくなる。

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上みちる

3.070年代の日本のイメージ

2019年8月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

評価=3:大学時代に夜の小学校に忍び込んでフルチンでプールで泳いだことを思い出した。そんなことが青春だったのかも。

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あっちゃんのパパと

3.0昭和の街の色、匂い、空気を感じさせてくれる 皆んなが必死で何か夢中...

2019年8月1日
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鑑賞方法:映画館

昭和の街の色、匂い、空気を感じさせてくれる
皆んなが必死で何か夢中になれる事を探していた
門脇麦ちゃんが演じた「めぐみさん」の焦燥感すごく分かる…いや、きっと分かっただろう…あの頃の私なら

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みっくるん

4.0時代の残り香

2019年7月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

白石監督は映画で描かれてきた時代は生まれてないか物心もついていないん赤ん坊だけど、多分、師匠である若松監督や若松プロのスタッフの人たちを通して1960年代後半~1970年代という時代の残り香を嗅いだ最後の世代なんだと思う。

本作では(多分)予算も少ない中でその空気感みたいなものや、その時代に青春を送った色々面倒くさい若者たちの心情を汲み取りながら丁寧に描いていると思った。

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青空ぷらす

3.01970年前後

2019年7月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

ピンクの奇才とされた映画監督、若松孝二の1970年前後の実話を関係者が集まって描く。
1970年の東京の空気が薄いのは残念だけど、仕方ないのかも。

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いやよセブン

3.5熱量と女性と

2019年5月18日
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鑑賞方法:VOD

興奮

1969年の日本社会の熱量の強さが現在とは全然違っていて、当時は映画やテレビも今とは比べ物にならないほど気持ちの入った作品が多かったのではないか?と感じました。と同時に全く熱がこもっていなくて作家性の弱い現在の日本映画界を揶揄している様にも感じました。若松監督に捧げる作品の主人公がめぐみであることは、ピンク映画からスタートした所謂女性が居ないと成り立たなかった若松プロであれば当然の事だと思います。めぐみやピンク女優を表舞台に出したことで、作品から女性に対する敬意を感じ取る事ができました。邦画は女性が勇ましく描かれる事が少ないと感じていたので、勇ましい女性を男性監督が製作したところが私としてはもっとも評価できるところです。

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ミカ