劇場公開日 2018年12月15日

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「政治家経験を反映させたコメディ」葡萄畑に帰ろう ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5政治家経験を反映させたコメディ

2019年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

ジョージア(グルジア)の重鎮監督の久しぶりの映画と聞いたので、どんな重厚な作品なんだろう、と思っていたら皮肉たっぷりに政治コメディだった。旧ソ連から独立した時に政治家も務めた経験のある監督自身の実体験を存分に反映させた作品らしい。
難民追い出し省というすごい名前の省の職員はなぜかローラースケートを履いて仕事しているし、そこの大臣である主人公が買った椅子はなぜかしゃべって人をかどわかす。椅子は権力の象徴で、それが人を狂わせるのだということを面白おかしく描いている。全部実体験から着想を得たらしいが、政治の世界では本当におかしなことばかり起こるのだろう。

主人公は、大臣をクビになった後、人生において大切なことを見つける。故郷のぶどう畑が美しい。ジョージアはワインの産地として有名だが、上手いワインと愛する家族以上に人生に大切なことはないのだと軽やかに謳い上げる作品だ。

杉本穂高