劇場公開日 2019年5月31日

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「脱帽、純粋にゴジラを愛した人が撮った作品。」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0脱帽、純粋にゴジラを愛した人が撮った作品。

2019年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

よくテレビなどで、日本の失われそうな伝統文化を引き継いでいるのが外国の方だったりするのを見てきた。日本人以上に日本の伝統文化に魅せられて日本に移住し、人生をそのために捧げる姿が印象的だった。日本人自身が見向きもしないことに魅せられてその伝統文化を引き継いでいるのである。
私も幼少期、東宝特撮映画に夢中になった口だが本作の監督ほど愛していたか疑問になるほどこの監督はゴジラ映画を愛しているのがわかった。と同時に本作は日本人にはけして撮れなかったとも思われる。ある意味、真のゴジラオタクだからこそ撮れた作品ではないか。パシフィックリムのギレルモデルトロと通ずるものを感じる。
そして本作は庵野氏のシンゴジラとは対照的な作品とも言える。シンゴジラも良い作品であったが、本作と比べるとなんだか肩肘張った大人に媚びた作品だったような気がするのである。
本作は怪獣バトルを純粋に描きたかったのであろう。ストーリーは少々強引ながらも巨大怪獣のバトルに重きを置き、人間ドラマも前作のようなバランスを欠くものでなくちょうどよい塩梅であった。劇中モスラのテーマ曲を始め伊福部BGMが流れまくり、それがアラフィフの私には感涙ものであった。円谷英二が本作を観ていたらどう思っただろうか?
とにもかくにも鑑賞中手に汗握らされた作品は久々であった。この監督にはここまでゴジラを愛してくれて感謝しかない。

レプリカント