劇場公開日 2018年6月1日

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デッドプール2 : インタビュー

2018年6月4日更新
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ライアン・レイノルズ、大いに語る! “俺ちゃん”の進化、そして未来

“俺ちゃん”がパワーアップして、スクリーンにカムバック! マーベルが生んだ“18禁ヒーロー”の活躍を描くヒット作「デッドプール」の続編「デッドプール2」が世界興行収入5億ドル突破の旋風を巻き起こすなか、製作・主演・脚本を務めるライアン・レイノルズが初のプロモーション来日を果たし、取材に応じた。(取材・文・写真/内田涼)

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インタビュー当日、渋谷駅前のスクランブル交差点と港区・増上寺をサプライズ訪問したレイノルズ。今回のインタビューは、移動する貸切バス車内で行われた。こうしたおきて破りのスタイルもまた、「デッドプール」らしい。“ツアー”を心から楽しんでいる様子のレイノルズは、「主演作の続編が製作できるって、俳優としてこれほど幸せなことはないよね。実現したのは、前作が好調だったからこそ。そもそも『デッドプール』の製作は、なぜかリークしちゃった(笑)。テスト映像を見たファンが声をあげてくれたから。それまで、決して首を縦に振らなかった20世紀フォックスも、彼らの熱望する声を無視できなかったんだから。デッドプールがどんな男か前作で紹介済みだし、今回はさらに羽を伸ばして飛び回る自由があった。楽しい撮影だったよ」と笑顔で振り返る。

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人体実験で驚異的な治癒能力と不死の肉体を得た代償に、醜い身体になってしまったウェイド・ウイルソン/デッドプール。その魅力は「他のヒーローなら絶対無理な言動もできちゃう特権がある。ダーティで、道徳的な善悪の立ち位置もあいまいだ。だからこそ、みんなに共感してもらえる存在だと思う」と語るレイノルズ。だが、本作では、未来からやって来た“マシン人間”のケーブル(ジョシュ・ブローリン)から、ミュータントの少年ラッセルを守ろうと奮闘することに。「居心地のいい場所から一歩を踏み出すこと。それこそがヒーローの歩むべき“進化”だと思う。今まで自分勝手だったウェイドが、なんと誰かのために戦うんだからね。世界や銀河を救う……みたいに大げさじゃないところが、デッドプールらしくて気に入っているよ」と誇らしげだ。

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劇中には80年代のポップカルチャーを中心に、映画・音楽ファンなら思わずニンマリしてしまう“小ネタ”が満載。また、豪華なカメオ出演も実現している。「まるで“イースター・エッグ”みたいに、いろんな場所にちりばめているから、何度も見てほしいな」。例えば、マット・デイモンの登場は、言われなければ気づかないはず。「マット(・デイモン)の希望で、エンドロールの役名がディッキー・グリーンリーフになっている。この名前、知ってるかな? 彼が主演した『リプリー』で、ジュード・ロウが演じた役柄なんだ」。

失敗作だと認める過去の主演作「グリーン・ランタン」いじりも健在。「自分で自分を笑えるのは大切なこと。好きでやってるよ(笑)。デッドプールとの共演だって? もし、実現して、彼にピンチを救われでもしたら、チョー複雑だね。まあ、あっちは(デッドプールが所属するマーベルコミックのライバル誌)DCコミックスだし、そんな心配する必要はないけど」と笑いを誘う。ちなみに、お気に入りの出演作を聞くと、サンドラ・ブロックと共演した「あなたは私の婿になる」や「ハッピーボイス・キラー」「リミット」を挙げてくれた。

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ディズニーによる20世紀フォックスの買収劇によって、シリーズの動向を注視するファンも多いはずだ。「僕らがそのニュースを知ったのは、ちょうど編集段階だった。撮影中には、ディズニーへの辛らつなジョークも撮っていたんだけど、残念ながらカットせざるをえなかった」と苦笑い。

取りざたされているデッドプールの「アベンジャーズ」参戦説については、「個人的にビジョンはないんだ。そもそも、デッドプールが彼らとうまくアンサンブルできるとは思えない。きっと合流して5分もしないうちに、誰かが僕のことを殺したくなるはず(笑)。ただ、特定のヒーローとのペアリングなら、クールになる可能性はあるね。それに、サノスとは共演したい。彼が指をパチンと鳴らすと、僕が消えてしまうんだ(笑)」と語る。言うまでもなく、サノスを演じるブローリンとは、すでに本作で共演が実現している。

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一方、本作でデッドプールが特殊能力者たちを集結させたスペシャルチーム「Xフォース」については、映画化の企画が進行中だ。「現時点では、才能あふれる監督のドリュー・ゴダード(「キャビン」)と一緒に、脚本を練っている段階。アイデアはいっぱいあるし、『デッドプール』とはまた違う方向性でいこうって話しているよ」と“未来”に声を弾ませる。日本でも撮影された「ウルヴァリン:SAMURAI」を引き合いに、「日本が舞台になるのもいいアイデアだね」。インタビュー当日、同作が撮影された増上寺をレイノルズが訪れたのは、配給の20世紀フォックス映画の粋な計らいだった。

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最後に、レイノルズ本人にとっての“ヒーロー”を聞くと、こんな答えが返ってきた。「自分のコメディスタイルを確立させてくれたという意味では、チェビー・チェイスビル・マーレイ、それにエディ・マーフィかな。世代的には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスや、『ターミネーター』のアーノルド・シュワルツェネッガーも大好き。日本人でいえば、やっぱり黒澤明監督が残したものは偉大だし、小説家の村上春樹さんも大好き。彼の作品に影響を受けて、ニューヨークシティマラソンに参加したほどだからね」。

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