劇場公開日 2018年5月12日

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「恐怖と狂気の始まり…はこれで良かったのか?」レザーフェイス 悪魔のいけにえ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恐怖と狂気の始まり…はこれで良かったのか?

2019年10月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

ホラー映画史に残る名キャラ、レザーフェイスの誕生秘話を描いた『悪魔のいけにえ』前日譚。
トビー・フーパーも製作に携わり、これが遺作に。

OPは後のレザーフェイス、まだ幼いジェドの誕生日。
ケーキも用意され、ハッピーバースデー♪
誕生日プレゼントは…、チェ、チェーンソー!?
早速その誕生日プレゼントでSPゲスト(拉致された男)を殺そうとするが、まだ幼いジェドは出来ない。
殺せ!殺せ!…と、まくし立てる相変わらずのソーヤー一家。

それにしても本当にイカレたファミリー。
殺人の仕方も、まず幼いジェドがターゲットを引き付け、兄弟がお楽しみのように手を掛ける。
最もこのシーンの殺された少女も、不気味な牛の生首マスクを被った子供なんか放っておけばいいのに、「助けてあげる」と後をついて行くんだから、まるで自分の方から殺されに行ってるようなもん。ま、でないと話が始まらないんだけど…。
これが運の尽き。殺された少女の父親が保安官で、一家を憎悪。ジェドは更正施設に入れられる。

10年。無論、真っ当な更正施設ではない。
やがて暴動が起き、その混乱に乗じてジェドは、3人の患者と拉致された看護婦と共にテキサス逃避行…。

レザーフェイスが得体の知れない化け物で無い限り、その誕生は何となく想像付く。
つまりは、周囲の悪影響。
まず、母親。子供たちに虐待をするDV親ではなく、殺人教育をしてきた“毒親”。リリ・テイラーが怪演。
虐待に等しい更正施設での仕打ち。
逃避行仲間のアブナイ殺人カップル。
そして、執拗に追跡するまともじゃない保安官の復讐…。
そんな異常な環境や場にさらされ、心が病むのも無理はない。
上映中の『ジョーカー』と同じ。異常な悪を生むのは…。

しかし残念ながら、誕生の経緯は分かったが、作品としてはビミョー…。
どうしてもグロ描写推しのB級ホラー。オリジナルのような真に迫った恐怖や狂気には遠く及ばず。

逃避行の面々が男3人女2人でオリジナルの若者たちと同じ配置であったり、クライマックスでは遂にチェーンソーを手にヒロインを追い掛けたり、あの人皮マスクを作るシーンがあったりとオリジナルへのオマージュや彷彿させるシーンもあるのだが…、
果たして稀代の殺人鬼の誕生秘話が、この出来映えで良かったのか…?

近大