劇場公開日 2018年10月26日

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「あいあい傘って死語だよなぁ~今の日本で何故これ公開するのかな?」あいあい傘 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0あいあい傘って死語だよなぁ~今の日本で何故これ公開するのかな?

2018年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

寝られる

試写会で観させて頂きました。映画上映終了後、場内では多くの方が、拍手をしていましたので、この作品を気に入られた方も多分多かったと思います。
試写会チケットが当選して無料で観ておきながら、面白くなかったと言うのは大変失礼な事ですが、私はどうしても、好きになれませんでした。

本作は宅間孝行氏の監督、脚本作品と言う事ですが、本作は2007年に監督が所属していた劇団で上演されヒットしていたらしい作品を今回映画化したそうです。
ですが、監督は10年の時を経てまで何故この作品を世に出したかったのか?今の時代にこそ伝えなければならないメッセージ性が有るのか?或いは時代を超えた普遍的なテーマを描いた作品なのか?どちらの要素も本作からは感じられなかった事が、好きになれない要素の一つです。

普遍的なテーマの家族物や人情物と言えば松竹映画が得意する映画で、小津監督の家族をテーマにした作品の数々は私の大好物で、ついつい家族を描いた邦画作品を観ると小津作品と比べてしまう事自体、私がバカなのでしょうか?
今の邦画界では絶対にあの世界感は無いよなぁと思いつつ(高校生の恋愛物映画ばかりがてんこ盛り!アニメ原作物や実写も含めて10代の恋愛物多すぎます)も、いつも家族愛を描いた作品だとついつい期待が膨らみ過ぎてしまう為か、今回もちょっと期待した分残念ですが外れてしまいました。これから観たい方にはごめんなさい!

けなしてばかりもいけないので良かった点を書きますが、雨宮と言う気の良い兄ちゃんを市原隼人が熱演していました。あのキャラはテキヤの役でお馴染み寅さんを思い起こしますね。
バカでお人好しなキャラはこう言う物語では外せないですよね。
特に本作でヒロインさつきがキャンキャンやかましいくて、不自然な芝居の連続で、頭痛くなってしまうので、本当に雨宮の天然キャラ!そして原田知世の控え目なおばさんキャラも良かった!この2人で救われました!ラストの父と娘の展開は悪くないが、どうして無理に「あいあい傘」に持っていくのが???って感じ。

第2番目に気に入らないのは、映画の始まりのシーンでは兎に角カット割が多くて落ち着きがない、展開で、観ていてもう少し長回しでも良いかな?と思ったりしながら観ていました。
でも、観ていて内容に追い付かないと言うわけでは決してないのですが、只余りにも短いカメラショットばかりが目立って登場人物に中々感情移入が出来ない状態が続いたので。ついには睡魔に襲われましたが、何とか寝落ちせずに見終えた時、頑張った自分に、座布団1枚上げたい気分でした。
第3番目はストーリー自体成立していない感が有ると思いますね。ヒロインさつきの母は回想シーンのみの登場です。そして25年もの間、母親は蒸発して死んだと言う父の事を娘に話していた様子が殆どない設定に矛盾が有ります。劇中で父が家を去った理由が劇中で描かれている状況なら、母親が娘に真実を普通は伝えていない筈はありません。母子家庭で苦労ばかりと言うのも、設定上おかしい点が残るのです。更に、さつきの現在の挙動が、アラサーの母子家庭で苦労して生きて来た人間にしては、まるで子供です!登場人物のキャラ設定に矛盾がこんなにてんこ盛りでは、泣くになけません。ラストの展開にも今迄のさつきキャラだと少し不自然ですね。
優しい父と娘の物語を描くと言うより、今本作を製作したのは、政治不信を煽りたい映画なのでは?と勘ぐりたい作品でした!!私の考え過ぎでしょうかね?

ryuu topiann