劇場公開日 2021年5月22日

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「魂が伝わる一本ですね。」そろそろ音楽をやめようと思う バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0魂が伝わる一本ですね。

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

評点が高かったので急遽鑑賞です。
最終日に滑り込みでした。
結果、観てよかったです。

粗いです。色々と、様々な点が粗いです。
比べちゃいけないとわかりつつ
専門学校の学生が撮った映画のほうが
作品として綺麗に仕上がっているものも
あります。光沢を感じるのではないでしょうか?

その光沢を作り出すのは
使っている機材や技術、知識なのでしょうね。
そうなのだろうと思います
「磨き方=学べること、身につけられること」
じゃないですかね?

しかし、磨く前には
<芯を創り、形を創ること>が必要ですよね。

これは何を伝えたいか?表現したいのか?の
「想い(信念?)」がどれだけ明確になっているか?
伝えたい「情熱」がいかほどか?
これによって創れるかどうか?が決まるのでは
ないでしょうか?

本作を包む空気感と熱量はなんなんだろう?
と考えたとき、あぁそれなのかな?って思いました。
監督自身もバンドマンだったとのこと、出演されてる
方の多くが同じ環境であり、ありのままで演じている。
故に、皆さんが持っている持ち続けている想い、情熱が
そのまま映像に映し出されているのだと。
発するセリフ一つ一つにあらわれているのだと。

アフタートークでの主演のダイナマイト☆ナオキさんは
自分のCDがネットで300円でも売れない現実を自虐的に受け入れ
ながらもロックスターになることを信じて疑ってませんでした。
そんなブレない強い信念、情熱が本作を貫いていると思いました。

技術や知識で作られる光沢はないかもしれません。
しかしその不恰好かもしれない形に大きな魅力を感じる作品と
なったのは出演者たちが持っている信念、情熱を余すところなく
表現できたからではないでしょうか?
故に、本作のキャスティングは大成功で演出も素晴らしく良いもの
になったのだと思います。

ストーリーはシンプルかつ「よく出来た」話ではありますが
この信念と情熱の上だからこそ作品として成り立つ話です。
クライマックスはグッときましたよ。

インディーズ映画で現在はどこでも上映していないことが
残念な作品です。

秀作です。

バリカタ