「もはやハリウッド娯楽大作となんら遜色無し」操作された都市 レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)
もはやハリウッド娯楽大作となんら遜色無し
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すでに大阪では公開終了。わざわざ神戸元町まで足を運んだ甲斐はあったと思うが、韓国映画の中では標準的なレベルと思います。逆に言えばレベルの高い韓国映画ばかり見ているためハードルが上がっているのも事実。気になったのは前半の刑務所で主人公がいたぶられる部分、作品全体のバランスからいってもここは長すぎたと思うし、正直、気持ちが重くなりすぎてしまう。懲罰房に長期間入れられて感覚が鋭敏になり後半のアクションに生かしている部分は上手いなと思いました。後、せっかく二時間を超える作品ならばシムウンギョン演ずる携帯でしか会話出来ないヒロインの掘り下げもしてほしかったし、主人公とのラブロマンス的なものももう少し増やして欲しかった。さらに本作は仮想空間で共に戦ってきた仲間がリアルな世界で同じように結束して敵に立ち向かってゆくというストーリー構成なのだから、ゲーム上で毎回ひげ兄貴を助けるために隊長が死んでしまうという部分をクライマックスで生かして欲しかった。実際劇中でひげ兄貴、すなわちヨウルがさらわれ、主人公が単身救出しに行くシーンがあったのだからそこで伏線を生かすスリリングな展開も出来たのではないか。などなどあくまでも個人的な不満点はあるもののひとつの娯楽作品としては完成度の高い作品ですし、主演俳優の演技も素晴らしかったと思います。あと、娯楽作品の永遠のテーマである主人公はいくら撃たれても弾が当たらない問題を開き直って悪役が銃が下手だからとしている点は可笑しかったです。一見、単純な娯楽作のようで実は韓国の格差という深刻な社会問題を背景にしている点も作品に深みを与えていたと思います。
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