劇場公開日 2019年12月20日

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「終盤の出来映えが素晴らしい最終作」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5終盤の出来映えが素晴らしい最終作

2022年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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最終作に相応しい作品だった。42年間、観続けた甲斐があった。観終わって、そういう感慨に浸ることができた。本作は、悪と善の闘いを軸に、そこに、運命、愛憎、家族、友情、絆、血縁など、古典的ではあるが普遍的なテーマを織り込んだ渾身作である。

ルーク・スカイウォーカーからフォースを受け継いだレイはフォースの更なる修行と、仲間達とともにレジスタンスとして戦う日々に明け暮れていた。一方、カイロ・レンは、ダースベーダの意志を受け継ぎ、新帝国樹立のための足場固めを着々と進めていた。そんな二人の前に、全く予想しなかった巨悪が現れる。レンの野望は、巨悪の登場で現実のものになろうとしていた。新帝国誕生を阻止すべく、圧倒的な劣勢のなかでレジスタンス軍は奮闘するが・・・。

圧倒的な力を持つ悪、劣勢を知力と絆で挽回する善という構図は、シリーズを通して変わることはないが、レイの存在感が際立っている。エピソード7、8、9と、回を重ねる度に成長している。演じるレイジー・リドリーの演者としての成長と重なっている。特に目の表情が素晴らしい。闘っている時の鋭い眼光は戦士と呼ぶに相応しい。強く逞しくなったが、悩み続けている。自分を掴み切れていない。それでもなお、彼女は周りに助けられながら、前に進んでいく。闘っていく。それは、彼女の自分探しの闘いと重なっていて、作品に深みが出ている。

何と言っても終盤が出色の出来である。戦士それぞれの運命を背負いながら繰り広げられる悪と善との攻防戦。特に、悪と善のフォースの闘いに凄味がある。動きは極力排除し、演者達の火花散る様な演技力の応酬になっている。台詞の一つ一つが意味深く、胸に響く。心が揺り動かされる。

ラストシーン。最終作のラストとしては淡白であるが、第一作のサブタイトルNEW HOPEのように常に希望を繋いできたシリーズとして申し分ない幕切れである。
最後に惜別の想いを込めて。スターウォーズ、42年間ありがとう。

みかずき