劇場公開日 2018年2月3日

「不思議と心に染みる物語。改めて考えさせられる、女性の生き方。」巫女っちゃけん。 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5不思議と心に染みる物語。改めて考えさせられる、女性の生き方。

2018年2月22日
PCから投稿

悲しい

幸せ

寝られる

【賛否両論チェック】
賛:無気力だったヒロインが、心を閉ざした少年との交流を通して少しだけ成長していく姿が、どこか心に響く。女性としての母親の在り方にも、思わず考えさせられる。
否:結構重たいテーマが盛り込まれているので、あまり気軽には観られなさそう。描写も淡々としているので、眠くなってしまうかも。

 就活はしているものの、やりたいことが特にないヒロイン・しわす。「神社」という特殊な空間にあっても、そのやる気のなさを遺憾なく発揮していた彼女が、母親からの愛情を受けられずにいる孤独な少年・健太に出逢い、ほんの少しだけ変わっていく姿が、どこか清々しく映ります。最初は礼節を小馬鹿にしていたしわすが、健太と一緒に朝食を食べる際に、思わずその礼節を注意するシーンなんかが、とっても印象的でした。
 そんな中でテーマとなっていくのは、「母親である前に1人の女性」という普遍的なことです。それを変に否定も肯定もせずに、あるがままを描かれていくのが、かえって新鮮に映ります。
 内容的には、クスッと笑えるシーンもあったりはしますが、家庭内暴力や暴行未遂なんかもあったりするので、意外と重たく感じてしまいます。描写そのものも淡々と進むので、眠くなってしまうかも知れませんが、一風変わった人間模様を、是非観てみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド