劇場公開日 2019年1月26日

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「叶うなら、彼らに救いを―」デイアンドナイト さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5叶うなら、彼らに救いを―

2019年12月27日
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今年、「新聞記者」で話題を呼んだ藤井道人監督が「人間の善悪」を問う作品。

主演の阿部進之介が企画として関わり、山田孝之が出演せずにプロデューサーのみに専念して製作したそうです。

新聞記者も素晴らしかったのですが、これはまたしても素晴らしい映画でした!
いや、新聞記者よりも好きです!

ストーリーは、父を自殺で亡くした青年が安藤政信演じる北村と出会い、やがて復讐に身を投じていく物語であり、「スリー・ビルボード」のようなクライム・ドラマに「万引き家族」や「ドライヴ」を彷彿とさせる要素を入れ込んだ内容です。

一人一人の登場人物達が人間味に溢れていて、本当に興味深いです。
なので、キャラクターの魅力重視である自分としては非常に合っていました!

主人公を演じた阿部進之介は「キングダム」で山の民の一人として出演していたそうなのですが、物凄い存在感でした。
体付きや佇まいといい、こんなに主人公然とした人なのに何故ブレイクしないのか疑問に感じます。

また、安藤正信は児童養護施設の管理人でありながら、裏で犯罪グループとして暗躍している北川を演じていますが、最初は安藤正信の台詞回しが人間味を感じなくて違和感があったのですが、ストーリーが進むにつれてそうなった理由が理解できましたし、一番興味深いキャラクターでした。

そして、今作のMVPはヒロインを演じた清原果耶です!
彼女の演技力はNHKの朝ドラで把握済みでしたが、人と積極的に関わろうとしない孤児を見事に演じていました。
(*^ー゚)b グッジョブ!!

また、この映画は映像面も良かったです。
このての社会派の映画は映像面に拘らない事が多いのですが(特に邦画は)、今作はカメラワークやショットが非常に綺麗で、それでいて一個一個の場面に合っているものになっていました。

藤井監督は今後もこういった映像面でのアプローチもし続けていって、今後の邦画も映像が美しい作品が増えていってほしいです。

ただ少しだけケチを付けてしまうと、
何度か台詞回しが臭いように感じました。
とある場面で「人間の善悪」について直接語るシーンがあるのですが、直接過ぎて少し臭かったし、あえて直接言わなくて良かった気がします。

また、犯罪のシーンも警察が全然動かないところに突っ込みどころはありますが、ドラマ性が強くて素晴らしいのでそんなに気になりませんでした。

この映画では冒頭でも触れた通り「人間の善悪」がテーマですが、「万引き家族」と同様に「犯罪は何故起こるか」というのにも焦点が当てられております。
こういった犯罪に目を背けてただ否定するのではなく、彼らの境遇に視点を向けた方が良いとつくづく思います。

あまりこの映画は有名では無いので、埋もれていくのは寂しいです。
なので、興味をもった方は是非とも観てほしいです!

さうすぽー。