夏の娘たち ひめごとのレビュー・感想・評価
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もっと撮ってほしかった
バスバスつながってく画が、とにかく気持ちいい。画面から立ち上がってくる最盛期日本映画の記憶と、先鋭的な音作り。録音は川での水遊びだけでなく、襖を開けるといった生活音に至るまで素っ気ない完璧さ。西山真来と松浦祐也が一線越えるときの"線"の可視化はゾクゾクする。
学生映画?
つまらなかったです。カットの繋ぎ方、画面の作り方、ストーリーの拙さ、いずれも首を傾げる出来だと思います。
なぜこの完成度で劇場公開できるんだろう??
地方出身者としては、どんなに田舎でも、もう少し良い描き方があったと思うのですが。
せっかくの自然や趣ある旅館なんかも、ワイドで写すことなく、繋ぎに挟むでもなく、勿体無いな…としか感じません。
監督の他作を知らないので不勉強ゆえの感想なのかもしれませんが。
始まって何分と保たず、劇場を出たくなりつつも観続けた映画は初めてなので、かえって印象深いです。
あっけらかんな横溝正史
山間の村の狭い地域での倫理観もへったくれもない爛れた親子関係を、でもサラリと無味乾燥的なイメージで、時折ギャグも入れながら淡々と主人公の生き様を描く作品。
別の視点ならば、その近親相姦な関係に嫌悪感を持ってしまうのだが、それは単に都会で意味のない倫理観に蝕まれた近視眼のせいであり、閉ざされた世界では逆にその関係がより強固な体制を築いていくという外からの防御を作り上げているメリットも考えられることも言える。そういった丸でエロ漫画のようなシチュエーションの中でのドライで移り気な人生観を醸し出す内容である。
主人公の女性の思考はあまり褒められたモノではないが、却ってその自由で欲望に従順な態度に『ニンフ』をオーバーラップさせる。そして振り回される、血の繋がっているのかどうか分からない弟。セックスはできるのだが、自分のモノにはならないもどかしさ。
色々あって、結局別の男と結婚するのだが、それを苦にしての弟の自殺、でも結婚は予定通り行うなんて流れは流石に、置いてけぼり感は拭えないが、監督の今までのメタモグラフィを追っていくと合点がいく。ポルノ映画、ライトノベル映画化、そして閑村のドキュメンタリーと、その集大成がこの作品に込められているのだろうと伝わる。もっと丁寧に描いてくれたらと思うのだが、しかし逆にその不親切な演出やカット割り、丸で運動会を撮る父親のようなド素人のパンの演出を食らう度、素朴だけどメッセージ性のあるストーリー展開に惹き込まれる。シチュエーションの濃さとの真逆な心情の機微、そのコントラストが頭をユワンユワンと揺さぶる作品であった。だが、この面白さは決して人に伝えられない。なぜならばそのボキャブラリーを持ち併せていないから・・・非常に恥じることである。
追伸
今監督の堀禎一氏が、奇しくも自分が鑑賞した18日午前にくも膜下出血のため東京都新宿区の病院で死去されたとのこと。
注目していた監督であり、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
信州上田/虹釜
西山真来の背の高さ。異様にリズムが良い。それは75分という時間の制約かもしれないけど、編集の妙な気がする。紀州的な話が軸になるかと思いきや、そんなこともなく、旅館とか夕立とか川遊びのシーンがやたら良い感じ。冬冬の夏休み的な。妹の赤い水着とレイナさん?のTバック。男女の顔を真横から画角におさめた濡れ場がこんな良い感じなのはちょっと久しぶり見る感じ、ラストのヨシオとの朝が来てしまう濡れ場もちょっとハッとする。で音が、soup diskとか不知火レーベルの虹釜太郎ってことで、ウワッとなる。
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