劇場公開日 2018年3月30日

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「いつもの電車が崖っぷち電車に。でも、その終点の先には…」トレイン・ミッション 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いつもの電車が崖っぷち電車に。でも、その終点の先には…

2018年9月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

『アンノウン』『フライト・ゲーム』『ラン・オールナイト』に続く、ジャウム・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンの4度目のタッグ作。
今回のハラハラドキドキのスリルとアクションは、電車!

60歳保険会社員、マイケルの最悪の一日。
10年勤めてきた会社から突然リストラ。
住宅ローンに息子の学費。こんな歳で次の仕事の当ても無い…。
失意の帰路中、いつもの電車内で、見知らぬ女性からある依頼をされる。
報酬10万ドルで、終点までに乗客の中から鞄を持ったある一人の人物を捜して欲しいというもの。
断ろうとするが、家族を人質に取られ…。

“プリン”と称される捜して欲しい人物。名前は甘いが、捜し出すのはそう甘くない。
捜し出さなければ、家族が…。
言動も逐一監視されている。
降りられない、逃げられない。
そもそも、何故自分が…?

一体、依頼してきた女の目的は…?
背後には、ある権力が絡み…。
鞄や切符を手掛かりにし、乗客を観察&洞察。
該当人物を絞り込んでいくが、決定打が無い。
終点まで時間も無い…!

決死の人捜し。列車内ミステリーは古今東西、映画の格好の題材。
そこに、列車という設定を活かした、車両から車両への飛び移り、コントロール不能&暴走…!
お馴染みの“リーアム・アクション”も。
限定空間、タイムリミット、巻き込まれ、極限状態…このタッグの真骨頂!

今作のリーアムの役柄は、哀愁漂う枯れ親父。
一見平凡だが、何故か腕っぷしは強く、観察眼&洞察力も鋭い。
それもその筈、元警察官。この設定ももはや定番。
人生崖っぷちだが、脅迫には屈せず、立ち向かっていく様も定番だが、それがアクション・スターとしてのリーアムの魅力。
謎の女ヴェラ・ファーミガも出番はそう多くないが、印象的。思いがけない依頼と見知らぬ乗客にはご注意を。

この監督×リーアムの個人的BEST作『フライト・ゲーム』の列車版とでも言うべきリアルタイム・サスペンス×アクションで、安定の面白さ。
でも、それが長所でもあり短所。
やはりどうしても、『フライト・ゲーム』の焼き直し感は否めない。
スリリングだが、同作ほど緊迫感や面白さにはちと欠けた。
主人公をハメた人物も予想付く。主人公の家族や境遇を知ってる人物となれば…。
謎や伏線は貼られてはいるものの、ちと強引さやご都合主義も否めず…。

馴染みの乗客や車掌。
日本だったら幾ら馴染みでも他愛ないやり取りは無い。あるのは、イケメンと美少女の出会いの場ってだけ。
電車内をウロウロし、危険人物視されたりもしたが、彼らの助けあってこそ。『スピード』同様、奇妙な連帯感。
いつもの電車が、とんだ羽目に…。
でも、その終点は…
思わずニヤリとさせられるラストの再出発であった。

近大
Kayoさんのコメント
2019年12月6日

そうそう最後は笑える❣

Kayo
2018年9月25日

リーアムニーソン祭りですね!

巫女雷男