劇場公開日 2017年12月16日

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「ザ・スミスとトム・ウェイツ」彼女が目覚めるその日まで kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ザ・スミスとトム・ウェイツ

2019年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

萌える

 ボールペンを回したり舐めたりする癖のあるスザンナ・キャハラン。ニューヨーク・ポスト紙の記者となり21歳という若さながら将来を嘱望される存在だった。ある日、上院議員の大事なインタビューで発作がおこり、躁状態ののちに倒れてしまう。それでも「疲れた」「睡眠不足」だという不定愁訴はあるものの仕事はなんとかこなすかに思えたのだが・・・

 もう、この初期症状だけで涙が出てきた。自分の症状を伝えきれないもどかしさ。それを見てボーイフレンドのスティーブンも異常を察知し、瞳の中には本当の彼女がいて、自分を取り戻したくて抜け出したいという気持ちが伝えたかった。医師の前でも時折雄弁になり「双極性障害よ」などと自分を分析みせたりするのだが、医師の診断はその双極性障害とも統合失調症ともわからぬ、原因不明の病気であるとして、精神病院への転院をすすめてしまうのだ。

 頭にくるのは、ことあるごとに医者が「酒の飲みすぎに注意してください」とコメントするところ。確かに二日酔いの症状にも似ている気がするけど、もっと近寄って酒の匂いがするか嗅いでみろ~と言いたくなるほど。

 チャラいと思ってたボーイフレンドが意外にも献身的であったり、頑なに精神病院を拒否するパパとトリニティーママも良かった。実話であることも重くのしかかるし、最善の治療への経緯がもうちょっと克明に描かれていたら尚good。やっぱりクロエファンにとっては彼女の豊かな表情が存分に楽しめる作品でした。

kossy