劇場公開日 2017年7月28日

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「ダーク・ユニバース…」ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ダーク・ユニバース…

2019年10月2日
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MCUことマーベル・シネマティック・ユニバースに触発されて製作されたこのダーク・ユニバース。ヘタにリメイクするのはいかがなものかとは思うものの、1930年代などの作品を現代解釈と最新映像で甦らせる試みはかなり気に入っている。

オリジナルの「ミイラ再生」は男のミイラであり、ザ・ミイラ感があったが、本作は女性。ミステリアスな顔立ちが作品にピッタリであった。過去にもユニバーサル側が「ハムナプトラ」三部作でリメイクした往年のネタだが、本作はホラーな部分はきちんと怖くて雰囲気は満点だ。トム・クルーズのアクションも相まって極めて手堅く製作された作品に感じる。もちろんエンターテイメントの心は忘れず、笑わせてくれるところもあり、万人受けできる仕上がりになった。

ところが、本作の興行収入、評価共に思うようにいかず、ダーク・ユニバースが潰れるというまさかの展開になった。まさかあのフランチャイズ化ムンムンのラストでこれで終わりは酷すぎやしないか。

トム・クルーズの主演作品は安心して観れるのが特徴だ。「ミッション・インポッシブル」が代表作だが、「オブリビオン」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」等の同ジャンルでも一味違う良い作品が多い。しかし、そう言われてみれば、そこで感じる感動や興奮は、本作には無かった様に思える。脚本そのものがダメというより、その「ネタ」に問題があるのではないか。前述の通りユニバーサル・ピクチャーズは「ハムナプトラ」三部作で成功をおさめている。そこで一般定着化した「ミイラ再生」を再びユニバースとして甦らせたとして、果たして受け入れられるのか。トム・クルーズ主演で無ければどうなっていたか。実際、トム・クルーズの主演作品の中では最低の興行収入だったとの話もあるが、往年過ぎるネタには「アベンジャーズ」に対抗できる力は無いだろう。今は特にフランチャイズ化が激しくなった時代だ。「アベンジャーズ」以外にも、西を向けば「ジャスティス・リーグ」、東を向けば「モンスター・バース」。この時代には強敵が多く存在する。それがこの結果に繋がったのではと思っている。

しかし、リー・ワネル監督が「透明人間」を監督するとの情報が入り、何らかの形で過去のモンスター達を甦らせる的な発言もユニバーサル側から発表された。ユニバースとしては残らずとも、その意欲だけはどんどん映像化していって欲しい。

Mina