わたしは、ダニエル・ブレイクのレビュー・感想・評価
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隣人には手を差し伸べたい
ドクターストップで就労可能と認定されるってのが納得できなかった。大工じゃなければ、可能ってことなのか。
何でもかんでもネットで申請する、分からない人には助けないっていう社会は嫌いだなと感じた。役所側からしたら仕事を回すためには仕方ないのかもしれないけど、それって本当の目的からはズレてしまってるんじゃないだろうか。今の自分はそこまで感じてないけど、立場が変われば、また違う世界に見えるのかな、と感じた。色々経験しないとな。
もう少し歳をとってから観るとまた感じ方ちがうんだろうな。
ダニエルさんとケイティさんが心から支え合っている姿に、救われた。近くにそんな通じ合える人がいれば、それだけでも幸せなんじゃないかな、「わたしは、ダニエル・ブレイク」って認識できるよね。
万引きする、とか、落書きする、とかそのエネルギーがあれば、もっと違うことに早くにベクトルを向ければ、良いのに、とドライな自分もいたけど、実際は難しいんだろうな〜。前向きに動き始めた時に発作が起きるってのは溜まったもんじゃない。
人の心の救いになれる人になりたい、隣人には手を差し伸べたい、よくブレるけどやっぱり継続したいなって強く感じた。あと、イギリス行きたい。
俺がダニエル・ブレイクだ。文句あるか?
病気で働けなくなったダニエルじいさんは、失業給付をもらうため役所へ行くが、絵に描いたようなたらい回しに合う。
役所の事務的な対応は、もはや暴力レベルの冷酷さだ。
ダニエルじいさんが受ける仕打ちを見ていて許せないのは、単に金がもらえないというだけでなく、人としての尊厳を踏みにじられているからだ。
それでも闘うことをやめず、「俺はダニエル・ブレイクだ」と爆発する終盤には、スタンディングオベーションを送りたくなるぐらい感動した。
お役所批判に留まらず、じゃあ結局そんな社会でどうやって生きていけばいいのか、というところまでこの映画は示してくれる。
世代や人種も違う隣人への愛着や、見ず知らずの他者へのちょっとした気遣い、ささやかな縁から生まれる関係性に、この世知辛い世界にかろうじて残るほんの僅かの希望を見た。
生きるっていうことはかくありたい
ダンが生きたこの世界は、自分と同じなんだろうか。身近な世界、つながった空の下ならばこんなに悲しいことはないよ。隣人を思いやることがこんなに素晴らしく美しく思えるなんて悲しい。当たり前なのにまぶしくて涙が止まらないなんて、情けない。
ダンは間違いなく俺の近くにいる。俺がダンだ。 悲しい世の中は治していこう
社会の価値とは
病気を患い職を失った大工のダニエル、2人の子供と共に越してきたシングルマザーのケイティ。
悪いことに手を染めるでもなく、真面目に誠実に生きている人に、優しい手を差し伸べられない社会。
そんな社会の現実を突きつけられる。
せめて隣人にぐらい手を差し伸べられる自分でありたい。
勘違い
タイトルだけ見て、
「007に憧れた痛い人の話」だと勝手に妄想してたら、
全然違うじゃん!
ごめんなさい、私ケンローチ御大を存じませんでした。。。
そーなんすね、パルムドール2回も取ってらっしゃるのですね、ホントに失礼しました!
観ながら、「万引き家族」を思わずにいられない程の観客の居心地の悪さ。是枝監督はケンローチ作品から着想を得ているらしいが、かなりオマージュしてるのが分かった。
イギリスの貧困層とか思いつきもしなかったが、どこの国でも有る問題な事を確認させられ、俄かに議題になりつつあるベーシックインカムも現実味を帯びてるように感じる。
日本ではいつから議論されるのか。議論されないかもしれない。それくらい日本国民は島国慣れしているからだ。情報弱者にだけはなっちゃダメだ。
ケンローチ監督を知らない自分に言われても、うるせーよ、だよねー(^^;;
その意味で、「万引き家族」の存在意義やその価値を再評価したい。
段々と息が苦しくなる
主人公たちの状況の変化を、息が苦しくなるような思いで見ていました。
自分は平和ボケしていると思っていたけれど、社会問題に関しても平和ボケしているのだなと気づかされた…。
私に出来る事なんて微々たる事だろうけど、それでも何か行動に移そうと思わされる作品でした。
ドキュメンタリーかっていうくらい、何気ない街の人も子ども達も演技がうまかったな…。
これはひどい
まずアマゾンプライムの紹介文がひどい。
隣の誰かを助けるだけで人生は変わる、なんてこのエンディングからよく思い付いたな。
主人公が何も成し遂げないで突然死亡。
あの二人の子供達はどうなったの?
どの辺で一体誰の人生が変わったの?
リアルを描いたのはいいが、これって映画としてどうなのよという気持ちが止まらない。
この映画が高評価なのも全く理解できない。
ほっこりしたくてこの映画を見ようと思う方には見ない方が良いと言いたい。
人間の尊厳、 これを守り抜くということ。 培ってきた意志を尊重する...
人間の尊厳、
これを守り抜くということ。
培ってきた意志を尊重することの何が悪いのか、
やはりケンローチ監督の映画は絶望の中に一筋の希望と意志がある。
『家族を想うとき』を観てから
二作目の鑑賞。
この映画を観た後に何を感じるか
予告編を観て、弱者が立ち上がるハッピーなものと思い観始めたため展開の重さに終始唖然。
英国の現在はここまで救いのないものなのか。
ヨーロッパと一括りにして素敵な国をイメージしている人には決してオススメできない。
国のシステムへの怒り・批判・疑念、それらが主人公たちを通して観る者へ訴えかけてくる。
この映画を観た後に何を感じるか
「英国のイメージが変わった」きっとそんな単純な言葉では表せないほどの複雑な気持ちを抱くだろう。
是非誰かと観て、そして感じたことを議論してほしい
イングリッシュ・ペイシェント
ケン・ローチ監督の映画は未見だったが、新作公開に併せてのリバイバル上映とのことなので、この機会に見てみることに。
EU離脱の話題しか伝わってこない中で、福祉国家イギリスの現実が思いのほか厳しいことに瞠目する。フードバンクに並ぶ長蛇の列や、法のジレンマの中で社会からはじかれる理不尽さ。官僚機構の硬直したシステムは現状を反映したものなのだろうが、ほとんど落語の「ぜんざい公社」と変わらない。
“先進国”イギリスを描いた映画なのに、レバノンを舞台にした「存在のない子供たち」にも通底するものがある。海の向こうの話だけでなく、日本も母子家庭の世帯貧困率など見ると、他人事ではない。
観て良かった
※ネタバレありです
ふとプライムでオススメされて予告の時点で引き付けられたので鑑賞しました。
観て良かったです。
私はハッピーエンドの物語が好きですが、最後お手洗いにダニエルが立った時、そこで心臓発作起こして亡くなるパターンだったら辛いな、と思ったらその通りで悔しくて涙が止まりませんでした。
ケティがお腹が空きすぎてトマト缶をその場で開けてしまうシーンでも胸が締め付けられました。
何故貧しいのに子供を産むんだろうとか昔なら思っていたけど、自分が子供を産み、更に自分が産まれた時のきっかけを母から聞くなどして、妊娠出産なんてひょんなことも多く世の中予定調和で生まれてきた子の方が少ないだろうと思うようになりました。
産んでから子供に申し訳ないと思って必死になるもんですよね。(全ての人がそうな訳では勿論ない)
PCの操作に四苦八苦するダニエルを見てて今すぐ手伝いに行きたいと思いました。
ねえ、なんでそんなに不親切なの?
オンラインでしか受け付けないならそのためのスタッフと設備を用意するべきじゃないか。人手が足りない&管理のデータベース化のためのオンライン受付なんだろうけど、あまりに意地悪なシステムじゃないか。
履歴書講座だって書き終えた履歴書を添削する係がいてもいいじゃない。
まとまった感想が書けないです。
悔しくて虚しくて優しさもあって悲しくて寂しくて・・
万引きについても考えさせられます。万引き家族も見たけど、私は万引きはやはり犯罪だと思う。どんなに辛くても人の物を盗むのは許されない。店主が許して商品をあげた時、自分ならどうするだろうかと自問しました。
決して明るい映画では無いけれど何だろう、、心の財産になるような映画。
観た人とじっくり語り合いたい。
正義ってなんだろう
心の奥のほうに、ずしんと届いてくる作品。
これはイギリスの話だけど、法律とか役所とか公務員とか、
本当はみんなが幸せに暮らすためにあるものなのに
本来の役割を果たさなくなってるっていうのは日本でも当てはまるんだろう。
作品テーマとしては「万引き家族」と似ていて、社会批判の色が強め。
せっかくなら誰かのためになる仕事をしよう。
隣人には手を差し伸べよう。
この2つは自分の心に留めて暮らすようにしようと思った。
悲しい
あまりに静かで、いつかとんでもないことが起きるのでは?とドキドキしながら観ていた。
でも、なかなか?何も起きない。
ただただ、淡々と時間だけが過ぎていく。
何も解決しないまま。
理不尽なたらい回しにも、ため息をつくだけのダニエル。
なんとか幸せになって欲しかったな。
ケイティ親子にも。
その後幸せになっただろうか?
隣人には手を差し出す。
座右の銘にしようかな。
役所や介護・福祉関係者に特に観て欲しい
国民から税金を取ることには熱心だが、援助に関してはなるべく出したがらないのはイギリスも日本も同じなんだと思った。主人公の隣人への愛・優しさ、母親の子供を守りたい気持ち。人生は上手く行くときばかりではない。失敗も病気も事故だって有るだろう。他人に頼らなければならなくなる時もある。歳をとって弱った時、最後に残された方は国に頼らなければ野垂死にだ。そうならないためにみんなずっと納税、貯金をしている。役所の心無い事務的な対応に身も心も折れそうになる。この映画は多くの人に観てもらいたい。何度見ても泣けます。決して他人事ではない。
社会正義はどこに?
こういった類の映画を見ると他のはもう見られないという心境に陥る。私の一番好みのタイプの映画だから。
今の英国は幾ら何でも貧しい国とは言えない。でも、こういう国でシステムの中で生きていきにくい、老人、子供を二人抱えているシングルマザー、障害者などに焦点をあて、社会福祉はいったいどう動いているのかと訴えた映画。
ダニエルブレイクはニューキャッスルの大工だった。コンピューターは使ったことがないし識字障害。人間の心を持った心臓病の老人の彼に社会のシステムの中を理解して動くのは困難だが、決まり、規則を押し付ける(?)社会。
そのかれが、シングルマザーのケイティーと子供達を助けている。
私も老人の一人だから彼の気持ちが痛いほどよくわかるし、メイが首相の
英国政府にメスを入れたこの映画はいまの日本社会にもすでにおきている。ローチはカンヌで賞を取った時の挨拶の言葉でも英国の社会福祉のシステムに問題を投げかけている。
【ケン・ローチ監督の慧眼は、官僚主義の愚かさをシニカルなユーモアを交えつつ激しく糾弾する。現代が抱える格差社会へケン・ローチ監督が怒りを叩きつけた作品でもある。】
ー 心臓発作のため、雇用支援手当で細々と生活するダニエルとシングルマザーのケイティが徐々に社会的弱者になっていく過程が観ていて辛い。
(冗談だろう?と思えてしまう、イギリス行政の仕組みや小役人たちの言動の数々に嫌悪感を覚える。)ー
・職業安定所の壁面に”I、Daniel Blake" と大きくスプレー缶で落書きし、警察に連行されるダニエルの姿は市井の弱者のささやかな抵抗であり、印象的なシーンであるが、根本的な解決には全くなっていない。
・イギリスの右傾化及びEU離脱の流れに歯止めがかからない背景は、セイフティーネットワークが破綻している事と、蔓延る官僚主義を露わに描くこの映画で良く分かった。
<現代日本でも、同様の状況が密やかに進行していないだろうか?と危惧せざるを得ない事に気付かされる作品。>
<2017年6月10日 劇場にて鑑賞>
■2021年12月23日 追記
- 忌まわしき過去-
・日本でも、”幸せロード”(高度経済成長時代に謳われた言葉:20代で結婚をし、子供を設け、自宅を購入し、数々の社会保護制度の元、貯蓄を蓄え、悠々とした老後を送る・・。)が、リーマンショック以降崩壊した事は、万民が知っている事である。
リーマンショック時に、人事に居た私は、物凄いプレッシャーと、当時の阿呆な担当役員の
”何で、こんなに期間従業員が居るんだ!”
という罵声を毎日浴びながら、雇い止め通告を期間従業員の方々に毎日夜遅くまで、製造課長たちと行っていた。(目の前で泣かれると、正直キツカッタ・・。)
更に正従業員の仕事も無くなり、可なりの方に関連会社に出向して頂いた。
気がおかしくなるかと思ったが、数名の先輩の言葉に助けられ、何とか乗り切った。
だが、当時雇い止めをした方々及び(採用も担当していたため)所謂、就職氷河期と言われる世代に当たってしまった方々に対しては、合わせる顔が無い。
言い訳に過ぎないが、それでも当時、私は
”会社の年齢構成を考えると、300名の技能職の採用は必要です!”と会議で必死に説明した。
だが、当時のお爺さん副社長たちは、”先が分からないから最少人数の採用にしよう・・”と他人事の様に言ったモノだ。私の上司も必死に粘ってくれたが、駄目だった・・。
で、現在その付けが来て、私は毎日生産要員確保に走り回っている。
先見の明を持たない保身的な者が、高い地位にあっては駄目だという事を痛感している。
政府も数年前から、就職氷河期に当たった方々への支援を始めているが、継続、発展してお願いしたい。
非正規労働者に頼って、利益を生み出す会社には、いつか必ず、付けが来る。
GAFA然り。日本の企業然り。
社会的弱者を生み出す社会に、未来はない。
”お前が言うな!”と言われる事は重々承知の上、私は日々、且つての過ちを修正すべく、日々を送っている。
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