劇場公開日 2018年7月7日

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「アナーキー!」菊とギロチン メイラーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アナーキー!

2018年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

知的

こんな時代だからつくった、アナーキーな映画。
瀬々敬久監督が言ったことにウソはなかった。
そもそも瀬々監督は若松監督と同じピンク映画を作っていた人だ。
ピンク映画自体、全共闘時代のアナーキーなものだった。

とにかく反体制!とにかく自由を!
男女差別、民族差別、そして民衆を襲っている閉塞感。
時代に風穴をあけるんだというギロチン社。
女性を家畜のように扱う男尊女卑的世界から
女だけで自立して生きていこうとする女相撲の一座。
わけのわからないエネルギー、満タンの映画と言えるだろう。

東出昌大の弾けぶりがいい。
この男、単なる男優から一歩はみ出ていると思った。

この映画、自分的には時間が長かった。
3組の男女関係や生き様を表現していたが、
せめて2組であったなら、もっと絞り込んでいたなら、
饒舌さは薄まり、締まったものになっていただろう。
ただ、そんなことはわかっていたのかもしれない。
瀬々監督はあえて僕らの頭をグチャグチャにして、
アナーキー状態にしたかったのかもわからないとも思った。

メイラー