「アート映画を目指したかのような」大唐玄奘 redirさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アート映画を目指したかのような

2021年6月4日
iPhoneアプリから投稿

風景は流石に雄大で見応えあり、おそらくアーティスティックな作風に撮られているので、かえってその分、本来玄奘が非常な苦しみの中、信念と信仰心の高まりを感じたであろう厳しい旅路の実感がない。
そう、全体に実感がなく人間味がなく役者さんも少し残念で心を打つ魅力なく、あの時代に天竺までの旅の重み、苦しみを凌駕する経典や真の仏の教えへの渇望をみせてくれない。なんか馬にも冷たい。馬が玄奘を背に乗せて助けるところがクライマックスか。アートな映画を目指したのか、体制におもねた結果もしくは最初からそういう企画だったのかな、お金も相当かかってているからな。役者さんの生もあるかもですが、話の展開も、中国愛でところどころ非仏教的な違和感だしよく見る中国共産党の教育ドラマ、映画や子どもが学校で披露する大本営喧伝芝居みたいな、なんか、嘘っぽい感じが全編を通して否定できずもやもやした。しかしナーランダーとかナーランダー寺院とか読んで知ってはいるがどのようなものであったか、イメージが掴めた点は良かった。

redir