私に構わないで
解説
クロアチアの海辺の田舎町を舞台に、家族との窮屈な暮らしに耐えながらも強く生きる女性の日常を描いた人間ドラマ。クロアチアの観光地ダルマチア。病院で働く若い女性マリヤナは、強権的な父や障害を持つ兄、そして無責任で小言ばかりの母に振り回されながら、窮屈な生活を送っていた。そんなある日、父が倒れて寝たきりになり、マリヤナは生活費から父の世話まで全てをひとりで抱え込むことになってしまう。本作が長編デビュー作となるハナ・ユシッチが監督・脚本を手掛けた。2016年・第29回東京国際映画祭コンペティション部門で上映され、最優秀監督賞を受賞。
2016年製作/クロアチア・デンマーク合作
原題:Ne gledaj mi u pijat
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2016年11月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
東京国際映画祭
ある家族の中の主人公の心の葛藤を描いた作品。
父親:日本でいえば昭和的な頑固親父。偏屈で近所の人からも少し怖がられている。のちに脳卒中か脳梗塞で寝たきりに…
母親:一応、夫の言うことは聞くが夫が倒れてからは介護は汚いし育ててやった娘の仕事だと決めつけ、全くやらない。文句だけは人一倍言っている。しかも夫が倒れてからは自由になったと喜んでるようにも感じられる。
兄:おそらく発達障害。仕事もそれを理由に働かない。
妹(主人公):父親が倒れてからは全てが自分に… 唯一の働き手(収入源)、父親の介護(オムツ交換は娘の仕事だと母親に言われる)
もともと人付き合いが苦手な主人公。誰にも頼れず、どんどん鬱積していく気持ち。別の何かを求める心情などをクローズアップしていく。
観ていてやりきれない気持ちと家族に対し腹立たしい気持ちなどが、ぐるぐると襲ってきました。
2016年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
クロースアップや手持ちカメラを多用した感情表現重視の映画。
非常にリアリティーを感じる作品。話自体は虚実なんだろうけれど、まるで現代のクロアチアにおける一つの家族の姿を垣間見たような気分になった。
主人公は俳優初挑戦らしい。だからこそのリアリティーなのか、それとも監督と一年以上演技について話し合っていたというから、それが結実したのもなのか、とにかく、彼女の表情や行動だけで引き込まれていく作品だった。
どこかレトリックでありそれゆえに真新しいのか分からないけれど、音楽やオープニングとエンディングの字幕なども効果的で格好良く、かなりフリーダムな感じて作られた作品のように感じるけれども、何気に隅々まで綿密に気を配った作品なのかもしれないとも感じた。