劇場公開日 2017年11月17日

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「バカにするつもりでネタとして観たのに…」GODZILLA 怪獣惑星 よんしんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0バカにするつもりでネタとして観たのに…

2019年6月12日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

「シン•ゴジラ」の後で誰がアニメのゴジラなんか見るんだよ!と思っていました。
公開当時、東宝系の映画館ではかなりしつこく宣伝しているのを見て、こんなの絶対面白くないだろ!と思っていました。

で、netflixで見られると言うのでバカにするつもりでネタとして見ようとしました。

ところがどっこい、これがなかなかの良質なハードSFでした。

地球に突如ゴジラが現れ、地球侵略を狙っていた宇宙人たちが助太刀に入るも太刀打ちできず、その宇宙人たちも地球人と一緒に行く宛のない宇宙の旅へ逃げている、という世界観。

地球を捨てて巨大宇宙船で人類が暮らすという設定は初代「マクロス」や「Blue Gender」などにありましたが、今作では地球人と二種類の宇宙人という三つの種族がそれぞれの思惑を抱えながら巨大宇宙船内に共存しています。

一昔前のSFではなぜか必ず規則無視のならず者や無鉄砲者、そして道を切り開こうとする若者を阻む既得権層などが出てきますが、この作品ではそれぞれの立場がそれぞれの思惑を腹に持ち、お互い牽制しながらも、ゴジラ討伐という一つの目的に向かっていく姿が描かれています。

これは「シン・ゴジラ」で庵野監督が描いた、"任務のために一致団結し足を引っ張る者がいない"展開と共通しています。そのため、観ていてスッキリしていてとにかく気持ちがいいです!

2作目3作目はそれぞれの宇宙人の思惑が露見してきて、まあそうなるだろね…、というありがちな展開で段々トーンダウンしていきますが、今作ではそれぞれの立場の者が一致団結して全力で戦うという、「シン・ゴジラ」にでも感じたカタルシスを感じさせてくれる傑作でした!

よんしん