劇場公開日 2017年6月17日

「はずれ!(笑)」こどもつかい kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0はずれ!(笑)

2019年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 もともと清水崇監督作品は好みじゃない。『呪怨』シリーズがサム・ライミ監督によって褒めちぎられていたけど、その時点でサム・ライミまで嫌いになりそうになったくらいだ。

 この作品にしても、黒マントのこどもつかいを演ずる滝沢秀明が怖い死神じゃなく、笑えるキャラになっていることで半分興味が失せてしまってる。さらに、映画への取組みに雑なものを感じたのが、駿也(有岡)が止めようとしたタクシーだ。明らかに緑ナンバーじゃなくて白ナンバーの、いわゆる違法な“白タク”だったから。金をケチってるのか、冗談のつもりだったのかはわからないが、タクシーを撮るのに一般車に行灯を乗せただけの車を使ってる映画は見たことがない。

 怖くないホラーはホラーじゃない。ちょっとだけブラック・ファンタジーを感じることもできるのだが、致命的なのが後半全てを非日常である上之郷サーカス付近を舞台にしているため、ますます怖くなくなっている。そんな作品であっても良い点はあった。指切りげんまんをして指が落ちてしまうシーンだとか、『呪怨2』でも使われていた、門脇麦が子供時代に住んでいた部屋にワープするところなど。

 全体的に、理不尽な児童虐待への警鐘ともとれるメッセージはあるのかもしれないが、それを子供に無理な演出をして描くところも痛いと思う。さらに、動物もの、難病ものなどの泣ける映画に対する批判ともとれる台詞があるのだけど、子供を使うことも反則の一つだよ!(笑)

 トミーという変態外人キャラも面白いし、「ぼぉあんがステプライ」というこどものうたも面白いのです。特にメジャーからマイナーに変調するこの曲は作品全体の変化をも表しているような気がするし、徐々に歌詞が明かされていくところもいい。この辺りで加点しました。

kossy