劇場公開日 2017年1月28日

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「【”心の医者になる!” ヤクザより恐ろしき心臓外科医の父の心を動かした”歌”が、数々の未来を切り開いた・・。】」キセキ あの日のソビト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”心の医者になる!” ヤクザより恐ろしき心臓外科医の父の心を動かした”歌”が、数々の未来を切り開いた・・。】

2021年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

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ー お父さん、息子とは言え真剣を振りかざすのは、銃刀法違反に抵触します!-

◆印象的なシーン及び設定
 ・ミュージシャンを目指すジン(松坂桃李)に、心臓外科医の父、誠一(小林薫)が激高し、真剣を振り翳すシーン。二男のヒデ(菅田将暉)も、父には頭が上がらない。が、二人とも、そんな父を尊敬している事が分かるシーンの数々。父に対する言葉は丁寧語。喋る時には、正座。
ー ジンもヒデも心臓外科医として、何日も病院に泊まり込みながら、患者と向き合う父親の姿を知っているからであろう。今作の隠れたMVPは、小林薫さんである。-

<Caution! 以下、ネタバレあります>

 ・ジンが結成した”ハイ・スピード”が、メジャーデビューに漕ぎつけるが、ディレクター(野間口徹:名脇役である。)の厳しき言葉”メタルは流行らない・・”にメンバー内でも、波風が立ち・・。
ー 結局、ジンは”ハイ・スピード”を解散する・・。彼の音楽の夢は終わったのか・・。
”ハイ・スピード”の曲は、メタルというより、オルタナティブロックじゃないかなあ・・。
”STRAIGHTENER”のようで、格好良かったけどなあ・・。-

 ・ヒデは医学部の二度目の受験にも、失敗し・・。浪人中、HMVで”海援隊”のCDを購入した際、レジの女性木下さん(忽那汐里)に”海援隊って、渋いですよね‥”と言われ・・。
ー 確かに”海援隊”のチョイスは渋い。曲調が”GReeeeN”に似ているかなあ?-

 ・明るいが、ジンとヒデを産んだ影響で、歯が弱い母(麻生祐未)の言葉を聞き、医学部から、歯学部に進路を変更したヒデ。(父も、正座で説得・・。)漸く合格したヒデは「声」を作り、ジンにデモを依頼するシーン。
ー ジンは、ヒデの音楽の才能を見抜いたのだろう・・。ヒデが仲間たちと結成したグリーンボーイズのライブで楽しそうに歌う姿。それを見る、ジン、トミオ(奥野瑛太)そして、木下理香。トミオは、ジンに”あいつら、楽しそうだな・・、才能あるんじゃないか・・”と呟き、会場を去る。-

 ・ジンが且つて、彼らをデビューさせたディレクターを訪れ、必死にヒデたちの音楽をアピールするシーン。
ー 兄の”弟の音楽の才能を埋もれさせたくない”、と言う気持ち・・。-

 ・が、ヒデは音楽にのめり込む余り、進学が危うくなる。
ー 音楽を諦めようとするヒデにジンが、言い放った言葉。沁みる・・。-

 ・そして、新曲「道」が発売される。その曲を聴いていた誠一の患者結衣。
ー この後、結衣は心臓手術を決意し、誠一に「道」を聴かせる・・。
誠一は気づいていないが、ジンとヒデの作った曲は、結衣の”心の医者”になったのである・・。-

 ・ヒデとジンが、楽曲を作る合宿に出掛ける日に父、誠一が二人に言った言葉。
””GReeeeN”って、知っているか? ”GReeeeN”みたいな曲を作れよ!”
車中、嬉しそうに笑うジンとヒデ。
ー 誠一は”真実”を知っていたのかな?-

<夢を追う事の大切さ。”音楽は人の心の医者になる”という素敵なメッセージが伝わる作品である。>

<2017年2月 映画館にて鑑賞:鑑賞記録なし・・、何故?>

<2020年12月31日 別媒体にて再鑑賞>

■蛇足
 ・当時の資料にも、記載されているがGReeeeNのヒデ以外のメンバーは、今、邦画を牽引している横浜流星、成田凌、杉野遥亮(頑張れ!)が演じている。
  映画館で観た際には、この3人の印象が全くないのである・・。
  たった、3年でビッグになったのだね!

NOBU