劇場公開日 2017年8月19日

  • 予告編を見る

「まるでフランス革命」ダイバージェントFINAL kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まるでフランス革命

2022年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ジェニーンが死んで、新たな指導者イブリンが君臨することに。恐怖政治の処刑も世論を誘導し、反論を許さない。そんな中、外の世界を見たいトリスとトビアスは、処刑されるであろう兄ケイレブを連れ、クリスティーナとピーター、そしてトーリもフェンスからの脱出を試みる。

 外の世界はあった!放射能に汚染され赤く染まった大地。こんな荒れ地で生きていけるのか?と、そこへ内部のシカゴから無派閥のエドガーたちが追いかけてくるものの、秘密の扉が開いて推進局が彼らを迎え入れる。200年もの間、ずっとシカゴを監視していたというのだ。とにかく、監視システムは凄い!どこにカメラがあるんだよ~?などと考えても無駄。もうVR並みの映像で臨場感溢れる監視ができるのだ・・・プライベートも観られちゃっていたのね・・・

 周辺部と呼ばれる難民キャンプから子どもたちを助け出し、育ってあげる推進局。彼らは記憶消去剤セラムを使い、別人格にしてしまうのだ。リーダーのデイビッドの目的は何?とフォーは彼を怪しんでいたが、トリスはすっかり信じ切って彼の計画に参加する。

 一方、彼らの故郷シカゴでは台頭してきたイブリン(フォーの母)と「平和」のジョアンナ(オクタビア・スペンサー)が対立し、一触即発の状態となっていた。「平和」だって平穏を勝ち取るためには戦争も辞さない構えなのだ。戦争を止めさせ、推進局の陰謀をも止めなければならないという使命感によって、トリス、フォー、ケイレブ、クリスティーナが立ち向かう。

 結局、何だかんだといっても人間は争いの本能を持った種族。これは異端者が誕生したところで変わらない。急進派のイブリンが戦争をしない方向に心が変化したのが唯一の救い。裏切り体質のあるピーターにしたって、今後何をするかわからないけど、とりあえずは良かった。3作通してアンセル・エルゴートは博学の割にダメ兄貴を演ずるところが面白かった。しかし、3部作といいながら、続編が出来そうなエンディングは何だよ・・・

kossy