劇場公開日 2016年11月5日

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「普通をのひとを普通に描く新境地」ジュリエッタ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0普通をのひとを普通に描く新境地

2016年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

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スペインきっての変態監督だったのが、いつの間にか女性映画の巨匠扱いされるようになったアルモドバル。確かに文芸路線、キレキレの珍作、その折衷的作品とどっちの側にも足をかけて活動しているが、女性の生き様を描くにしてもどこか飛び道具のような展開や描写をブッ込んでくるのが通例だった。

ところが今回、軽く新興宗教めいた自己啓発セミナーが絡んできたりはするが、あくまでも普通の女性の半生を、突拍子もない要素に頼ることなく描いている。なんなら近所を歩いていてもすれ違っていそうな女性の物語だと思う。

物足りないという人もいる気がしつつ、アルモドバルらしいちょっとねじれた表現はあちこちに散りばめられているし、本人らしさを失わずに新境地にたどり着いた普遍的なメロドラマではなかろうか。

村山章