劇場公開日 2017年6月24日

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「演技ではない"衰えぶり"を開示する幸福な老俳優たち」ジーサンズ はじめての強盗 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0演技ではない"衰えぶり"を開示する幸福な老俳優たち

2017年6月17日
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鑑賞方法:試写会

笑える

幸せ

年金が打ち切られ、住宅ローンの返済額が倍増する!?決して他人事ではない絶体絶命を、なんと80歳を過ぎて体験させられる。誰しもあまり想像したくない未来が、演じる俳優たちの存在そのものによって笑いへと昇華されて行く。上からケイン(84歳)、アーキン(83歳)、フリーマン(80歳)と並ぶ3人が、演技ではない"衰えぶり"を嬉々として開示するその姿に、俳優というライフワークを持てた老人たちの幸運が見事に重なるからだ。そして、彼らが画策し、実行したのが社会的倫理を大きく逸脱した銀行強盗でも、共に老い、時に弾けられる友を持つことの幸運が、2枚重ねになって心を潤してくれる。アーキンと恋人役のアン=マーグレットが劇中でデュエットするというオマケも用意された老人賛歌&人生賛歌。明るい未来に乾杯だ!

清藤秀人