劇場公開日 2016年12月23日

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「インディペンデント作家が撮り上げたディズニーの商業映画は仕上がりも上々」ピートと秘密の友達 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5インディペンデント作家が撮り上げたディズニーの商業映画は仕上がりも上々

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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前作『セインツ』をサンダンス映画祭でお披露目する直前、次なる目標としてロウリー監督が書き出した項目の中にこのディズニー映画のリメイク案件が含まれていたという。当時まだインディーズ作家に過ぎなかった彼が、まさか本当に商業映画を撮り上げてしまうなんて、誰が想像しただろう。本作の始まり方はファミリー映画にしてはやや衝撃的だ。柔らかな触感の中に胸の張り裂けそうな哀しみが見え隠れする。両親との別れ、最高の友達との出会い。それから何年も月日が過ぎ去り、主人公の少年にはこの慣れ親しんだ大自然の住処を離れる時がやってくる。このいくつもの通過儀礼を経て成長していく過程が明るさと笑いに満ち、とても心を打つ。誰一人として真の悪人が存在しないところも安心してみていられる秘密だろう。ロウリー監督の『セインツ』や『ア・ゴースト・ストーリー』にも通底する共通点、それにレッドフォードの妙演などもじっくり堪能したいところ。

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牛津厚信