劇場公開日 2016年1月9日

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「予想以上に面白かった、デ・ニーロが渋い」タイム・トゥ・ラン スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0予想以上に面白かった、デ・ニーロが渋い

2016年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

まずまず良いキャストが揃っているのにほとんど話題にならなかった辺りや、ちょっと安っぽい邦題&ジャケ写から、最近よく見かけるデ・ニーロの安売り系B級映画かなと期待値低めで鑑賞したら(デ・ニーロが見れれば何でもいいぐらいの気持ちで)、これは思わぬ拾い物、なかなかの掘り出し物な一品でしたよ。
クライム・アクション好きならこれは見て損のない一品でしょう。
どこかで見たような他の映画の焼き回し感は否めないので、やや新鮮味には欠けますし、ご都合主義度もかなり高いので、そう言うのが気になる方はいまいちノレないかもしれませんが、テンポも良いし感情移入度も文句なし、渋いしカッコイイしで、私は十分楽しめた映画でした。

もう冒頭のバスジャックのシーンからいきなり惹き込まれましたね。
まさしく掴みはOK、これがその後どう繋がるのか、とても興味を惹かれるオープニングシーンでした。
いろいろなところに伏線張りまくったのが、気持ちいいぐらい綺麗に回収されていくのも見所の一つでした。
まあ正直相当強引なんで、もしこうなったらうまくいかなかったのでは?みたいな突っ込みどころは満載でしたが、私はもう面白ければ何でもOK!ご都合主義だろうが何だろうが、見ていて痛快な気分になれましたし、これはこれでとても心地の良いご都合主義だったと思いました。

そしてお目当てのデ・ニーロですが、最近はコミカルな役や偏屈爺さん的役回りの方が多かったりもしますが、やっぱりデ・ニーロはこっち路線が嵌ります、どこからどう見ても冷酷なカジノ王、この風格はデ・ニーロだからこそ出せた雰囲気でしょう。
あれだけ冷酷なカジノ王がラストで見せたアレは、途中娘とのやり取りで大体読めてはいましたが、でもたまらねぇ~~、あの渋さ、タバコネタもいい隠し味、このラストを見るだけでも絶対見て損はない映画だったと思いましたよ。

一方、主演のジェフリー・ディーン・モーガンも負けず劣らずの渋さ、プラス優しさにホッとさせられました、娘の命を救う為と考えると、ついつい応援したくなっちゃいます。
しかし真面目に働いてもどうにもならないアメリカの医療保険事情には、ゾッとさせられますなぁ。
ちょっと惜しかったのは、デビッド・バウティスタVS警官ジーナ・カラーノの格闘家同士の夢のアクション対決が実現しなかったのは、このキャストなのにちょっと勿体無かったなと。
でもまあ全体的には十分楽しめたクライム・アクション映画でした。

スペランカー