「震撼」サウルの息子 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

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サウルの息子

劇場公開日 2016年1月23日
全105件中、1件目を表示
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震撼

6年生の頃だったか、
新聞社のホールで催された「アウシュビッツ展」を見た。

一緒に行った両親が会場で分厚いパンフレットを買ったので、私はそれ以降 時々本棚に手を伸ばしてはその解説と、目を覆うばかりの白黒写真を見ながら育ったわけだ。

南米に潜んでいたルドルフ・ヘスやアイヒマンが捕まったという速報も、ヨーゼフ・メンゲレがブラジルで死んだというニュースも、紛れもなくそのパンフレットで目に焼き付いていた彼らの顔写真を新聞の小さな記事で私は見つけたのだった。

ヨーロッパで広く知られ、世界各地のホロコースト記念館でも展示されている【その写真】、【あの写真】が、この映画「サウルの息子」で動き出す。

全部見覚えあるシーンが動いている。
監督は記録写真にどれだけ忠実であったかよくわかる。

「縞模様のパジャマの少年」でもそう。

生存者の方にとっては正視出来ない映画だろう。否、こんなんではなかったと言われるのだろうか。

ハンドカメラがゾンダー・コマンドの肩ごしに"作業"を写し出す。
この手法、この肩ごしの景色を見るうちに、自分もいつしかサウルの背後に立ち、サウルと共に目の前の有り様を目撃し、やおら突然にその行列に押し込まれ、とうとう後ろから押され押されて、血と油と屍のガス室に私も片付けに入るのだ。

少年を弔おうとしたあのサウルの愚行は、ひとかけらの希望と受け取るべきだろうか。
それともあの倒錯も含め 一切の希望無しと、断ずべきであろうか。

人間の良心まで死に至らしめようとする絶滅収容所。それを作ったのは人間。

震撼だ。打ちのめされた107分だった。

きりん
さん / 2019年1月23日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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