劇場公開日 2019年10月11日

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「ジョン・ウーと李小龍、そして『恋する惑星』」細い目 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジョン・ウーと李小龍、そして『恋する惑星』

2020年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 クローゼットを開けると金城武の写真がいっぱい貼ってある。金城といえば日本語、台湾語、北京語、広東語、英語を駆使するマルチリンガルな俳優だ。そんな少女オーキッドはマレー系で、マレー語、英語が堪能だし、北京語も勉強中。とにかくマレーシアではバイリンガルが当たり前の社会なのです。“プラナカン”という言葉も登場し、多民族国家となった経緯を軽く学ばせてもらいました。

 民族の違いはあるけど、差別の描写はほとんどない。オーキッドと中国系ジェイソンはデートするものの、ファストフードばかり。イスラム教で禁止されている肉という障害もあるが、ジェイソンは魚肉の方が好きだというから、宗教上の問題も解決か・・・

 ジェイソンの友人キョンも映画好きで、なにかとオーキッドと気が合いそうだった。しかし、ジェイソンには“初恋”だという絶対的自信もあり、キョンはフォローに回るのです。そんなジェイソンとキョンは裏稼業でやばい立場にあったので、やがて彼らには暗い展開も訪れる。

 なんだか日本映画でも似たようなプロットがある気もしたのですが、他民族、異文化・異言語という独特な背景はマレーシアならではのもの。純愛かと思えば、ジミーの妹との関係を断ち切れない弱さも見せるし、すべて寛容の精神がなす愛なのか。雰囲気に飲み込まれそうになってしまいました・・・

kossy