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映画「××× KISS KISS KISS」 ××× KISS KISS KISS
劇場公開日 2015年9月5日
解説
「三月のライオン」「太陽の坐る場所」などを手がけてきた矢崎仁司監督による、「キス」をテーマにしたオムニバスムービー。新人脚本家ユニット「チュープロ」メンバーによる5本の短編が矢崎組のスタッフにより映像化された。同棲相手との喧嘩が絶えない女性を描いた「儀式」(脚本:武田知愛)、男子大学生の幼なじみの男友達への秘かな思いを描いた「背後の虚無」(脚本:朝西真砂)、知人の葬式に出掛けることが日常になった熟年夫婦が主人公の「さよならのはじめかた」(脚本:中森桃子)ほか、「いつかの果て果て」(脚本:五十嵐愛)、「初恋」(脚本:大倉加津子)の5編から構成。松本若菜、柿本光太郎、中丸新将、荻野友里、川野直輝らがそれぞれ出演。
2015年製作/168分/日本
配給:FILM BANDITS
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仕掛けの多い映画だった。
仕掛けは、語弊があるか…。
5本のオムニバスなのだけど、作品の全てに監督の手が入っている感じ。
脚本家の思惑を越えてなのか…その思惑を増幅してなのか。
それは小道具にも及ぶし、衣装にも反映されていたり、はたまたアングルや編集や。
あの手この手を使って、作品の世界観を引きずりだす。役者陣が力の抜けた演技をするので、こちらもボーっとしがちだが、しっかりアンテナ張っとかないとケムに巻かれる。
それぞれの作品にしたって、1から10までを丁寧に描いてるわけじゃなく、3689とか、158とか、抜粋して構成してるような感じで、それがかえって、箱庭ではなく延々と広がる世界を想起させる。
言葉を変えれば、昨今では珍しく不親切な作品なのだ。
ただ、そおいう散りばめられたパーツを使ってそれぞれが補完していくべき作品なのかも。
つまりは、作品+観客の人生で、初めて完成するような作品。
例えば
「初恋」のヒロインが着ているワンピースが、まるで金魚のように見える。
それが何を意味するのか?
作品中のヒントで推察するもよし、個人の直感を信じるも良し。
観客それぞれが違った答えを導き出せる。
大体にして、あのワンピースが監督発信なのか分からないし、逆に意味などないのかもしれない。ただ、作品にはそこに意味を持たせられるような色々な部品が作為をもって散りばめられてある。
かなーり手練れな印象、である。
穏和な暴君というフレーズを進呈したい。
この監督とどのタイミングで出会うのかが、かなり重要なようにも思え…琴線を揺さぶられるタイミングで出会った人や、それに呼応する感性の観客たちは、ガッツリと矢崎ワールドの虜になるのだろうと思う。
そして、その波長が合えば、何回も観る事になるのであろう。何回観ても、新しい発見があったりするのだろう。
噛めば噛むほど味わい深くなる作品。
緻密な迷路、もしくは、底無しのヒラメキとも思える。
題名である「Kiss」の印象は、朧げなモノを繋ぎ止めるような印象を受けた。
手を繋ぐって行為にも、意思は反映されはするのだが、接吻の方がより明確な意思が必要だと思う。
おそらくならKissもSEXも意味合い的には大差がなく、発信される根源は同一のように感じた。
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内容は難しく、一度観ただけだと理解できないところがあるけど、何度も繰り返し観たくなる映画でした。
タバコのキスシーンや真夜中の女の子、
塩の中での絡み、赤い風船など見応えあるシーンが満載で、3時間なんてあっというまでした。
特に、ラストの初恋が素晴らしかった。
トミー、トミー、、、、じゃんけんぽん
の台詞は巧みな間で、印象深かったです。
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