「慈悲深き母。」バーフバリ 伝説誕生 みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
慈悲深き母。
終盤にかけて「バーフバリ!」と大声で連呼したくなるような血湧き肉躍る英雄伝説。
だがここでは超人的パワーを発揮するバーフバリではなく、今は亡き国王の兄嫁シヴァガミ妃の非の打ちどころがない人間性に注目したい(また女性でありながら戦術と眼識にも長けている)。
母親なら自分がお腹を痛めて産んだ子は誰よりもかわいいはず。
我が子バラーラデーヴァを王位に就かせるためなら、その妨げとなるものは全て排除しそうになるものだが(韓ドラならまず異母兄弟は抹殺されるだろう)国母シヴァガミ妃は王子マヘンドラ・バーフバリとバラーラデーヴァを対等に育て上げたばかりか、どちらが国王に相応しいかを互いに競わせることで、反感を持つ家臣たちの雑音を封じる。
更には謀叛を起こす不満分子を、巧みな短剣捌きで返り討ちにしてしまう。
彼女が群集の前で宣言する「百人の首を斬る者を英雄と呼ぶ、たった1人の命を救う者を神と呼ぶ」は、紛れもなく映画史に残る名ゼリフであろう。
これを聞いた時、私の魂は感動のあまり打ち震えた。
ただ惜しむらくはシヴァガミ妃は本作の序盤で壮絶なる死を遂げているので、この後の完結編では回想シーンにしか出てこないことだ。
それでも『バーフバリ 王の凱旋』は一見の価値はある。👑
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