SLUM-POLIS
劇場公開日:2015年9月26日
解説
自主制作映画「眠れる美女の限界」でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015審査員特別賞を受賞するなど注目を集める新鋭監督・二宮健が、大阪芸術大学の卒業制作として手がけたSFアクション。2041年、南海トラフ大地震後の西日本では、復興が進んでいない地域はコミューン地区と制定され、「スラムポリス」と呼ばれたそれらの地区は、急速なスラム化により事実上の無法地帯と化していた。第3コミューン地区に住むジョーとアス、絵描きの娼婦アンナは、それぞれの夢を実現させるため巨大暴力団の麻薬輸送車襲撃を企てる。しかしそのことにより、3人はスラムポリスに渦巻く闇の抗争に巻き込まれることとなる。劇場公開にあたり、未公開シーンなどを加えて再編集された「新劇場版」が製作された。
2015年製作/113分/日本
配給:クロックワークス
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2021年11月30日
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鑑賞方法:VOD
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大体のディストピアものは第三次世界大戦後というのが相場だったが南海トラフを使うのは邦画らしい、ロケ地に東北を使えたからだろうか・・、いや、もっとしたたかな暗喩があるのかも知れない。
原発事故で人間が逃げたあと、残された家畜やペットが野生化したり処分された惨状を知って落ち込んだ。主人公の3人も、まるで野生化した野良犬のようだった。
戦後もまた地獄、闇市で必死に生きる戦災孤児、生きる為に進駐軍に体を売る「肉体の門」、そして今また未曽有の災害の後、悪夢のようなディストピア、スラムポリスが描かれるのは意味深だ。
戦争や災害に襲われるたび人心の荒廃を繰り返すのは人の業とも言えるが映画のようにならないよう残っているであろう人々の善意、良心に縋りたい気持ちで一杯だ。
大阪芸大の若者の作品だからか絵画や音楽が希望のモチーフに使われている、醜美の対比も凄まじい、挑戦的な作品とは言え内容は悲惨を極め、観ていて愉しい部類の映画ではないのでなんとも評価が難しい。
「海燕ジョーの奇跡」も暴力団抗争に翻弄される若者の映画だったがドラマの質と言う意味では藤田敏八さんの方が数段上だろうが、二宮健監督はまだ若いので荒削りは致し方あるまい、自主制作映画としては驚きの出来、役者も無名ながらセリフを抑えて表情で描いてゆく手法なので妙にリアル、よくぞここまで悪人面を集めたものです。薄幸のヒロインがアンナと言うのも妙にツボ、好きな甲斐バンドの名曲に被ってしまう。小野亮子さん熱演でした、監督はヒロイン募集していたようですが、まさかノーギャラじゃないですよね。
ついでに気になったのは、レビューを書くにあたってオフィシャルサイトをクリックしたら九要AVという中国のポルノサイトに飛ばされてしまった。劇中でも中国人グループが出てくるが資金援助でも頼んだのかしら・・。
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すごくおもしろい。
誰に勧めても恥ずかしくない。
日本でもこんな画撮れるんだと純粋に思った。
かっこいい。
ただ、中身が薄味。
人物の心理描写がわかりにくい。
アスは死んだアンナに申し訳ないから、スラムポリスを離れなかったのか?
ハッとさせられるセリフがない。
名ゼリフがありそうだが、意外になかった。
もっと脚本を頑張って欲しい。
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スラムポリスという無法地帯で育った男2、女1、計3人の若者の青春ストーリーアクション仕立て。
ストーリーも音も映像もセットもなかなか良かったが…スラムポリスの設定というかディテールがテキトーに感じた。
車、燃料、水、食料みんなあるし通貨や貨幣価値さえも違うのに都市部との物理的な壁がないって…物理的な壁つくると設定が変わっちゃうけどね。
ただ単に突っ込みどころということなら触れないで良いけど、この世界というか彼等の感情の根底にあるものを感じれば感じる程スラムポリスに留まる理由がないし、スラムポリスに留まるならヤクザに一方的にやられる理由がなくて出て行くことは重要じゃない、というストーリーで言いたいこととは異なる矛盾のループになる。
言いたいことはわかるし面白かったけど、感じれば感じる程に引っ掛かってしまった。
しかしこれが卒業製作作品って…レベル高過ぎ(汗)