劇場公開日 2015年11月27日

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「アニメ亜人vs実写亜人」亜人 衝動 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アニメ亜人vs実写亜人

2017年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

実写版を観たので、いつぞや録画したアニメ劇場版も興味本位で鑑賞。
TVアニメシリーズより先に製作された3部作の劇場版の第1部で、『亜人』の“最初”の映像化らしい。

原作漫画やアニメを見てないので実写版は実写版でなかなか面白かったが、アニメ版をこうして見てみると、かなり改変されていたのが分かる。
まず、実写版ではほぼ同年齢だった永井と佐藤だが、本来は永井は高校生、佐藤は初老の男だったとは。
永井の母親も登場し、実写版では健気だった妹は兄を“クズ”呼ばわり。
そして、海斗という旧友が。永井が亜人だと分かっても味方で、永井の逃走を助ける。
まあ、海斗が実写版には未登場なのは致し方ない。
と言うのも、尺の前半は永井と海斗の逃走に割かれる。
実写版はそのエピソードは丸々カットされ(永井が交通事故に遭って亜人だと分かるシーンも回想で)、永井はいきなり拘束されていて、残酷な人体実験を受け、永井と佐藤の接触から始まる。
その一点に絞り削ぎ落としたエンタメSFアクションにまとめたのは潔いが、やはりドラマとしての見応えはこのアニメ劇場版の方がずっとある。
永井の葛藤。合理的で冷たい面も。(妹に“クズ”と言われる所以)
綾野剛の怪演も見事だったが、表向きは物腰柔らかだが本性は冷酷さが垣間見えるアニメ版の佐藤の方がインパクト残る。
中村慎也って誰? ドクター・オグラなど知らないキャラも。
謎もまだまだ沢山。
こりゃ2時間弱の実写版に収めきれねーや。
…いや、逆に、一応は収めていてスゲーと思う。

画のクオリティーはさすがジャパニメーション!
それから、泉役の川栄李奈はビジュアルをよく似せてたと思う。

近大