劇場公開日 2016年1月9日

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「ズルくてかわいい人々」知らない、ふたり ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ズルくてかわいい人々

2020年3月4日
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笑える

楽しい

知的

例えば女の子が2人いて、男はそれぞれのことを7:3の割合で好き。それがある瞬間には4:6に入れ替わったりする事もあったり、自分の事を好きって言ってくれたからっていう理由だけでなんか好きになってしまったり、その感情は本人すら半分気付かないようなものだったり。そのような、大きな物語においては無いものと見做されがちな人間の「気分」をどう面白く映画にするかというテーマのもと、計算され尽くした作品だと思う。

このような、ポップではあれオルタナティブな形のエンタテイメントは観客には勿論、製作側にも認められにくいだろう昨今において、韓国からの役者陣を迎える形で、日本側は無名な俳優を起用して豊かな現場を築いたのだろうと想像する。ワンカット毎に映画的な悦びが満ちた傑作だと思う。

人間は不確かであるが故に美しい。愛って重いものだけが愛じゃないよねというテーマのもとに、日常的なようで少し非日常な瞬間を積み重ねていく。女優たちがとにかく美しくて、みんな変わっていて観ていて本当に飽きない、何回も見返せる作品。

ラストはちょっと韓流アイドル映画になりすぎてるなとは思ったけど。

ニックル