劇場公開日 2015年5月30日

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ダライ・ラマ14世のレビュー・感想・評価

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3.5●聖人の苦悩。

2016年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

生ける伝説、ダライ・ラマ14世。このネット社会で世界で唯一といっていいほど、その神聖が保たれている。
と思ったら、陽気で気さくなおっさんだ。チベットの歴史を考えたら、前向きに明るく振舞わなければやってらんないんだろうな。その強靭な精神には頭が下がる。

ちなみに、そもそもダライ・ラマとは。
チベット仏教で最上位クラスにある化身ラマの名跡。観音菩薩の化身。世襲ではなくて、先代が死ぬと、遺言やら予言、夢占いなどを元に僧たちが次のダライ・ラマを探すのだという。アタリを付けた地域の子供たちから、その予言やらに合致する候補者を探し出すのだ。先代ゆかりの品物に愛着があるとか、これを前世の記憶として認定する。つまり先代の転生者を特定するのだ。

そうして生まれたのがダライ・ラマ14世。2011年3月に引退するも、いまもチベット人の精神的支柱だ。

チベット動乱。亡命政府。非暴力。中国に属することは譲り、しかし自治を求める決断。北京オリンピックの妨害活動を止めるように声明を発表する。

彼はいう。もっと世界のことを知ろう。多角的なモノの見方をできるようにと。

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うり坊033

3.0ダライ・ラマ

2015年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

伝記や本を何冊か読んでいるので、ある程度知っていることが多かった。

チベットの人達の純粋な信仰を感じられたのが、とても良かった。

仏教を知的に理解してしまうが、信仰、生活信条として教えに生きることを学べた。

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Momoko

4.5「ダライラマ14世」という存在の意味するもの

2015年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

法王密着ドキュメンタリ。
時にお茶目で、時に大声で笑い、人がいても鼻をかむし、かしこまらずにお茶を飲む。まさに本人の言うように一人の人間なのだ。
けしてかしこまらず、それでいてチベットのために心骨を砕いて活動している姿がとても尊い。
そんな法王にホテルのロビーで対面した留学生たちの、感謝の念でいっぱいの清らかな表情をみたら、もうそれだけで涙があふれてきた。チベット人にとって、法王という存在が、太くてぶれない重心となって心の底に根付いている事実を強く感じる場面だった。

ところどころに、日本の若者たちから法王への質問を挟む。
平和とは?、から、女性と付き合ったことはあるか?、まで、多種多様の質問の数々。下世話な質問は不要では?という意見もあるが、僕はこれはこれでいいのだと思う。日本の若者にとっての法王との距離感がとてもよくあらわされているからだ。つまり、よその国の、聞いたことあるくらいの、有名らしい坊さん。そんな程度。
だからこそ、法王は、世界をまわるのだ。英語で語るのだ。たくさんの人に、チベットの実情を知ってもらうために。
法王は、いくつかの質問に対し「I don't know」と答える。それは答えが見つからないのではなく、「あなたの問題です。」という意味だ。突き放すではなく、あなた自身の力で解決しなさいと諭すように。
そしてまた、その質問の中の一つで、若者が、暴力と非暴力の違いを問う。武力に限らず言葉だって暴力にもなるが、結局両者の違いはなにか?と。
法王は、動機が問題なのだと言った。はっとした。暴力とはつまり、他人への気遣いがないのだ。思いやる気持ちがあるかどうかだ。それは、法王のいう慈悲なのだろう。そこからくる行動が利他なのであろう。
そんな法王の教えをまもる大人たちに育てられている、ダラムサラの子供たちの、なんと幸せそうなことか。勉強が好き、人の役に立ちたいという瞳の、なんと澄んでいることか。

最後、インド最北部のラダックに住む人々の3日間にわたる祭礼「チベットの日」(だと思うが失念)の様子をとらえる。
精肉屋の前掛けのようなものを胴回りにして、数百人もの人々が、祈りのたびにわずか身の丈ずつの歩みを続けながら、5kmもの道程を行く。行くというよりも、這いつくばるというほうが正しそうで、大地に抱き付いていくといってもいいかもしれない。
とにかく、それを3日で5km。どれほどの信仰心であろうか。その埃まみれの集団ののっそりと愚直な行進を目の当たりにして、また涙であふれてきた。

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栗太郎

3.0魅力的な一人

2015年6月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

カルマとか幸せに生きるってなんだろう?と改めて考えることが出来た映画。気持ちが落ち着きました。

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おねい

4.0新しいドキュメンタリー

2015年6月7日
スマートフォンから投稿

難しい

日本の知識層だけでなく、巷に居る様々な日本人にダライ・ラマ14世への質問をさせる。

そこが新鮮に映った。

彼の質問に対する答えは一貫して、結局は「自分が解決するしかない」ということと「幸せは外からではなく自分の内から来るもの」ということと、「暴力での解決は表面の解決にしか過ぎず、様々な副作用を催す」ということではないだろうか。

観る価値のある中々面白いドキュメンタリー映画だと思う。

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ちみすけ

0.5映画にするべきレベルじゃない。

2015年6月7日
iPhoneアプリから投稿

ダライ・ラマ法王の映像は良かった。
ただ、インタビュー内容や、捉え方がひどかった。
せっかく密着できる貴重な機会なのだから有意義な質問をするべきだと思った。
製作者は、仏教を理解して取材し製作するべき。
記録映像止まりで、映画にするまでの構成力がない。
製作者のメッセージも伝わってこない。

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yu

4.0観よう

2015年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

東大の学生や女子高生、出産直後の母親、癌患者、元ヤクザ。様々な状況にある日本人が、ダライ・ラマ14世に向けて問いかける。「平和ってなに?」「本当の強さって何?」「私たち若者にできることは?」
この映画には監督が現地へ行き直接取材・撮影したと思われる、チベットの民やダライ・ラマ14世へのインタビュー映像が私たちにわかりやすい形で抜粋・編集されており、チベット人達の生の声と、その考えを知ることができる。「勉強は楽しい?」という問いに対する回答が、チベット亡命政府が経営する学校、チベタンチルドレンヴィレッジの生徒達と、日本の高校生や大学生とで大きく違っていたのが印象的だった。チベットの子どもたちの心には、仏教と、それ以上にダライ・ラマという大きな支柱があるのだ。ダライ・ラマ14世は、自身のことを仏陀の生まれ変わりなどではなく、ただの一人の人間だと言う。だがそう言ったところでダライ・ラマ14世の偉大さに全く変わりはない。

日本に住む私たちは、自分だけが辛い想いをしていると思い込み、不満を持ちがちだが、そういうときはもっと視野を広げることだ。ダライ・ラマや多くのチベットの民のように、同胞を一方的な暴力で失い、国を追われ、苦渋の選択を強いられながらも非暴力訴え貫き、闘ってきた人達がいることを知るべきなのだ。知ることは自分を強くする。自分自身、もっと学び知る必要性を痛感した。

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MIDI

4.5映画だからできる、温かい心遣いのドキュメンタリー

2015年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

知的

幸せ

家族みんなで、もう一回、観てみたい作品でした。

結果として、大国どうしの代理戦争等を避けることができたチベットの方々の、1950年代以降の選択や一生懸命に生きている方への思いやり等が、ダライ・ラマ14世ご本人と、彼を支えた方々へのノーベル平和賞として、大きな共感を呼んだのだと思います。

日本との日常的な取引規模が他の国に比べて大きくないことから、変わりゆくチベット情勢は、日本のテレビ番組等で取り上げられることの少ないテーマですが、今回、日本での出来事や学生さんからの質問とのリンクを試みながら、他人事ではなく自分たちのこととして紹介してくださったのは、馴染みやすい印象のドキュメンタリーと感じることができました。

国力のステージの差こそあれ、また、質問に対するストレートな回答ではなかったのかもしれませんが、私たちが何かの出来事について悩んだ時に、もう一度振り返ってみるのが良さそうなヒントを、たくさんいただきました。

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