「フォレストガンプを事前に観ていなければ傑作だった。」国際市場で逢いましょう　レプリカントさんの映画レビュー（感想・評価）

本作のコンセプトは明確である。離散家族の悲劇と再会である。正直、内容的にフォレストガンプよりも史実に基づいた作品であり、説得力も高いはずだが、いかんせんガンプを意識した絵作りが目立ちすぎて作品に没頭出来なかった。オープニングの蝶はどう見てもガンプの羽にしかみえない。あと、ドイツでの崩落事故で責任者が二次災害を危惧して救助を見送るのは当然の対応だが、その彼を悪者にして看護師のヒロインが感情的に問い詰めるシーンは明らかに脚本に無理があり、ここでかなり興ざめしてしまった。そういったシーンを除けば、きっとガンプをみていなければ本作はもっと心に残る名作だったはずである。
ただ、ラストの主人公のセリフ、年を取りすぎてもう来られないだろうというセリフにはグッとくるものがあった。映像的にもレベルの高い作品だけに残念な作品である。