ウディ・アレンのザ・フロントのレビュー・感想・評価

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5.0ウォルター・ソル・バーンスタイン

2020年5月10日
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1976年の映画で ウディ・アレンの… とタイトルがついているが、監督はマーティン・リット
脚本家ウォルター・バーンスタインが 自身の経験を元に赤狩り時のショービジネス界を描いている

アレンが 名前貸しをする男を演じているが、あの時代に彼がいたら…と思わせ面白い
(こういうタイプは あの時代存在しないが)

脚本家達は まだ逃げ場があったが、俳優達はもっときびしい
悲運のボードビリアンをゼロ・モステルが演じていて印象に残った
酒瓶を抱え鏡に微笑む姿は 遺影に見え、とても悲しい

ショービジネス界は ユダヤ人が多い
彼等から著名な共産主義者、左派グループ指導者が排出され 労働組合を牛耳ることになるから標的にもされる
これにアメリカの反ユダヤ主義が 相まって混沌とする様子が描かれている

また KGBがユダヤコミュニティーの中に多数の情報提供者を保持していた
非米活動委員会とショービジネス界の対立だけでなく、スポンサー、局(スタジオ)の思惑も入り乱れる
(弱みにつけ込んで 買い叩きやリストラも)

バーンスタインはこれで 1977年の全米脚本家組合とアカデミー賞の最優秀脚本賞にノミネート

しかし 1995年「ヴェノナ文書」が一斉公開され、彼が共産主義者で情報提供者であることがわかる

私の頭も混乱
シナトラの〈ヤング・アット・ハート〉も印象的

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jarinkochie