劇場公開日 2015年4月17日

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「誰がこの展開を予想できるか。」海にかかる霧 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0誰がこの展開を予想できるか。

2019年8月9日
iPhoneアプリから投稿

小金欲しさに密航を手伝った船長の話。

まさに鬼畜のような映画。非人道的な展開を見せつけられる。

冒頭30分40分くらいは、これ面白くなるのかなと訝しんで観ていたのだが、その後は全く予想してなかった流れになり、ひと時も眼を離せない展開になる大傑作映画。

この濃密な二時間が描く怒涛の展開は、ダラダラとした冴えない日常から、カンタンな気持ちで犯罪に手を染めてしまった船長の地獄のような記憶の追体験のようで、日本映画では感じ得られることはない、悪魔のような面白さとゾクゾクさを味あわせてくれた。ラストシーン含め最後まで絶望感。

こういうのを観るたびに、韓国映画の底の知れない実力を感じ、フィクションでも思いつかないようなノンフィクションさを描き出す本作は、決して他国では真似できないレベルのクオリティだと感じた。

やべっち