劇場公開日 1977年12月17日

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「米宇宙開発の壮大な茶番劇が巻き起こす一大サスペンス」カプリコン・1 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0米宇宙開発の壮大な茶番劇が巻き起こす一大サスペンス

2020年5月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

Blu-rayで観賞。

何度観ても面白い。
キャストは概ねテレビ系の俳優たちだと思う。

アポロ計画の月面着陸は捏造だったという都市伝説がある。
月に降り立つ映像の製作をキューブリックに依頼したとかしないとか、という話まである。
まぁ、それはデタラメなのだが、本作の着想元になっているのかもしれない。

一番可哀想なのは、最初に違和感を持った航空宇宙局の技師だ。彼は口封じの最初の犠牲者となったのだろう。
次に哀れなのは、逃亡途中で絶壁をよじ登った宇宙飛行士(サム・ウォーターストン)。登りきった頂上で彼を待っていたもの…その絶望感たるや、想像を絶する。

主人公はキャプテン(ジェームズ・ブローリン)と記者(エリオット・グールド)の二人。
キャプテンは冷静沈着で頭脳明晰な正義漢。人望もあって、正にリーダーにふさわしい人物。
記者は一流とは言い難い、半端者。この男が疑念を抱いて真実追求に突進するから、面白い。

不具合が発覚したにも拘らず計画を進行させ、捏造を余儀なくされた有人火星探査計画。
この捏造計画はかなり用意周到に進められたにちがいない。そのリソースを不具合解消に注げなかったのか。
最初から3人の宇宙飛行士は殺してしまう計画だったのだろう。恐ろしい!

記者は再三命を狙われる。その割には警察に駆け込んだりしない。政府が絡んでいると睨んだからか。
それにしても、車の細工事件は隠しようがないはず。社会インフラに損害が出ただろうから。なのに、「殺されそうになった」と訴えても上司は知らん顔。そんなバカな!

脱出劇の結末で遂にキャプテンと記者が初遭遇するという、サスペンスにおけるカタルシスが存分に味わえるクライマックス。
農薬散布屋のおっさんキャラ(テリー・サバラス)がまた、たまらない。
だが、キャプテンの帰宅後いったいどうなったのか、誰しも気になるところ。
しかし、サスペンスアクションは「後かたずけ」を描いてしまうと興冷めするので、割愛でよしとしましょう。

捕らえられ(恐らく殺され)たもう一人の宇宙飛行士は、あのO.J.シンプソン。

この映画で初めて「ヨセミテ国立公園」を知った無知な学生だったことを思い出す。

kazz
レモンブルーさんのコメント
2021年2月7日

この頃のSF映画は 分かりやすいエンタメで スッキリできるものが多かったですね!

レモンブルー
レモンブルーさんのコメント
2021年2月5日

これは当時 本当にNASAが アポロの月面着陸を仕組んだのでは?とちょっと思ってしまった(笑)。ラスト あの後どうなる?と思わせて終わるのが良かった。ですが、その先も観たかったです(笑)私もヨセミテはこの映画で知りました(笑)

レモンブルー