劇場公開日 1977年12月17日

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「高校時代に映画館で観た。映画そのものよりも『未知との遭遇』の過剰なまでの予告編のほうが印象に残った・・・」カプリコン・1 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高校時代に映画館で観た。映画そのものよりも『未知との遭遇』の過剰なまでの予告編のほうが印象に残った・・・

2019年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

 60年代から始まった米ソの宇宙競争。冷戦の別の面をも感じることができるし、世界のリーダーであり続けたい米国の尊厳。アポロ計画も行き着いたら、次第に人気がなくなっているところも興味深い。そして情報操作や捏造という真実の重さ。前年には『ネットワーク』という映画もあったし、マスメディアの情報操作に政府の陰謀も加わったという社会派要素が満載。

 観た当時には社会派映画の良さもわかってない頃だったけど、80年代に入って“飛行機は空を飛ばない”と信じてる人たちがいることや、反オカルト的な議論もあったし、90年以降にはミステリーサークルやネッシー写真は捏造だったと告白する人たちが現われて、なんだか自分の目で見た事象しか信じられない思い・・・そう感じなくても、殺されるんじゃないかと察した3人の宇宙飛行士たちの逃亡劇に興奮した記憶がある。

 アメリカ建国200周年で沸いた1976年。その偉大なるアメリカの祝賀ムードの翌年、言ってみれば反米的というか、アメリカの闇の部分を描いた映画にはさすがに賞なんてものはないんだな。

 そんな捏造説とその反論の対決も面白いけど、映画の中心は3人の宇宙飛行士の逃亡アクションと新聞記者(グールド)の熱意。数値の異常に気付いた友人のアパートへ行っても違う女性が住んでいたり、車のブレーキが利かなかったり、狙撃されたり・・・閉鎖された軍事施設で証拠をつかみ、農薬散布小型飛行機でヘリとの空中アクション。手に汗を握るシーンが満載だし、今のようにVFXを使ってないところが凄い。最後の合同葬儀で、ジェームズ・ブローリンとエリオット・グールドがスローモーションで走ってくるのが清々しい~強欲だけどイキな農薬散布会社社長のテリー・サバラスもgood

kossy