劇場公開日 2015年4月17日

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「異作で遺作な傑作」ワイルド・スピード SKY MISSION オレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5異作で遺作な傑作

2017年6月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

興奮

オーウェンショウを倒したファミリーに襲いかかるは兄のデッカードショウ。
東京にてハンを殺害し、捜査官ホブスに重傷を負わせ、ドムらの自宅に爆弾を届けるハイスピードで圧倒的な力でファミリーに復讐を誓う。
さらには民間軍事組織を追うアメリカの秘密組織。その軍事組織に捕らえられた科学者のラムジー。
三つ巴の大混戦と撮影前に交通事故にて亡くなったポールウォーカーを偲んだワイスピシリーズの異作で遺作な傑作。

世界最高と名高いアクションハゲスター、ジェイソンステイサムが最強の敵として参戦。冒頭、瀕死状態で入院する弟のデッカードショウを労わる心優しい兄を好演するのかと思いきや帰り道にその凶悪の性格と荒業を示唆する破壊の限りを尽くした病院を闊歩する斬新な演出によって最高のスタートを切る!笑
みんな大好きジェイソンステイサムがいつも以上にジェイソンステイサムしている様子に頭のシーンだけで大興奮したファンも多いと思う笑。

圧倒的な復讐心を持って神出鬼没にファミリーの前に現れるデッカード。
そのデッカードをこちらから探し出して攻撃するために今作はあらゆる人間の居所が分かるゴッドアイというプログラムを手に入れることから始めるドムたち。
その開発者であるラムジーという人物を味方に引き入れようとするが、その人物は軍事組織に捕らえられており、輸送中を狙うしか手はないという。さらにその輸送は一本道の山道を多くの護送車を伴って進んで行くもので公道から地続きの尾行はできないという。
そこでファミリーに協力してくれることになったアメリカの秘密組織を率いるミスターノーバディが提案した作戦がこちら。

飛 行 機 で 空 か ら 攻 め る ぞ ☆

何言ってんだこいつ。
と思った数分後空から落ちて行く車5台笑。
常軌を逸している笑。シリーズ過去最高の無茶笑。パラシュート使って着地してたけどこんな重量耐えられるパラシュートなんかあんのか笑。つかこの撮影ホントに車落としたのかマジかどんな頭してんだ製作陣笑。
とありとあらゆることを突っ込みたいとこですが着地したのちのレティが放つタッチダウンベイビー!!!のセリフが死ぬほど好きで思わず5回くらい巻き戻して見た笑。

さらには超高級車で超高層ビルの窓をぶっ壊し飛び移る奇行を2回ほど決行笑。
以前自分はワイスピはコナンみたいだと言ったがやはりそうだ天国へのカウントダウンを思い出した笑。

ほぼメインの話としてデッカードの居場所を探し出すためにゴッドアイを手に入れるという内容だがその向かった先でだいたいデッカードが待ち構えていて、むしろ迎撃体勢でどっしり構えてたらと思ったりもするがそこは突っ込んじゃダメなよう笑。
後半の最終決戦ではドムとデッカードのタイマンバトルもアリで見応え十分。ステイサムが決してヒョロイわけではないのだがディーゼルのガタイがデカすぎて小さく見える笑。しかし全くの五部。超強い笑。

それに並行して無人機での爆撃攻撃が繰り広げられる。街のど真ん中で笑。
ドローンが出てきたあたり進歩したなぁと時代を感じさせる一方で第1作目でドムが使用していた車も飛び出し、いよいよ最終決戦と感じさせる展開。
ラスト再びの車での跳躍でド派手に爆破を決め、レティの記憶も戻り、めでたしめでたしなハッピーエンドで締める。

しかしこの作品にはここからまったく違う意味合いのラストが待ち構えている。
ブライアンオコナーことポールウォーカーへの追悼を込めたラストだ。
この作品を撮り始める前に既に彼は交通事故で亡くなっていたらしい。
なのでいわばあのラストは意図的な演出になるわけだ。
ホントの故人を偲ぶための意図的な演出がこんなにも人々の心に残るなんて相当稀有な例だと思う。
そういった点でラストは本当に素晴らしい。
正直観る前からある程度の情報を知っていたがまさかラストで道が枝分かれするとは思わなかった。
あの分岐に様々な意味が込められていると思うと相当目頭が熱くなる。
セリフも良い。ここに関しては吹き替えも良い。
あのセリフだけでブライアンとファミリーの決別と永遠の絆を完璧に描いている。
何よりドムがブライアンのことをファミリーではなく、兄弟と思っていた点が良かった。
ホントに良かった。

もはやシリーズにおいての記念碑的な作品。
ある意味時代が一つ終わったような感じだがまだまだワイスピサーガは続いていくようだ。
次作でこの完璧なまでのラストをどのように繋いでいくのかとても楽しみ。

オレ